2020年04月01日

江西省が湖北省人民の入省を拒否

 新型コロナウイルスの感染が特にひどい湖北省の武漢市を除く自治体と、隣接する他省とをつなぐ幹線の封鎖が3月25日午前0時から解除された。各自ダウンロードした健康アプリで緑色判定された人のみではあるが、ようやく自由に動けるようになったのだ。

 湖北省の一番西側にある黄岡市の黄梅県には駅がない。全国各地の職場に復帰しようとする住民たちは、対岸の江西省九江市までいかなければならないのだが、2つの省を分ける長江にかかる九江長江大橋で事件は起きた。



 27日午前、橋を渡り湖北省側から来た人間は、九江市側が設けた検問所で入境を拒否された。体温を測ると湖北省人を追い返し、検問所自体も黄梅県側まで移設したという。

 黄梅県側は権限範囲外の行動だとして、九江市側の対応を非難し公安が出動したが、九江市側は特殊警察部隊を繰り出して数人の黄梅県側の警官を取り押さえた。

 黄梅県の人民数百人が続々と橋に集まり抗議。黄梅県県長が介入を試みるも人民の怒りは収まらず、特警車両の屋根に登ってひっくり返すいつもの事態となった。

 新京報道が九江市疫情防控式部に問い合わせたところ、「健康アプリが緑色で、目的地の受け入れ証明があれば九江市に入れる」と回答があったとのこと。

 「手続きが完璧ならなぜ通れなかったのか」と再質問したところ、電話が切れたという。このやりとりが新京報に掲載されているのには驚く。

 翌日28日には九江市、黄梅県の宣伝部が、双方が設置している検問所を撤廃し、往来を約束する趣旨の通達を出した。

 「潯陽(長江に面した側の九江の旧名)黃梅両地相隣,人員相親,交往密切」(潯陽、黄梅の領地は隣接し、人々は仲良く、往来は密接である)と、双方は本当は仲がいいんですよアピールが挟まれている。

 新型コロナウイルスが本格的に湖北省に蔓延しはじめ、1月26日から問題の九江長江大橋も封鎖されてしまっている。

 その後数日で、黄岡市の下級市である武穴市の人民が農業用の船で九江市側に渡っていた事案が発生。手製の船を使って渡っていた人民もいたとのこと。九江市は、武穴市に船を管理して再発を防止するよう求めているように、仲良くても新コロは別じゃいというのが九江側の本音だろう。

 封鎖解除が3月25日で、少なくとも25日と26日は同様の衝突は起きておらず、27日になって九江側が通行止めに及んだ理由が判明していない。九江側が態度を一変させる何らかの原因があったと思うのだが。

 3月19日に列車が湖北省内に停車するようになり、一番列車を出迎えた應勇・湖北省委書記は湖北省の人民を暖かく迎えてほしいと全国に呼び掛けている。蔓延初期から湖北省人は避けられる事案が発生していたが、恐怖から来た反発なら、すぐに解消するのは厳しいのではないか。

==参考消息==
http://www.xinhuanet.com/202003/24/c_1125759909.htm
https://www.hk01.com/即時中國/453822/新冠肺炎-鄂贛警察省界橋上衝突-兩地發聯合公告同意撤關卡https://hk.appledaily.com/china/20200327/GHRKBUFLS5OORBESDI2USFSSDM/
https://news.sina.com.cn/c/2020-03-27/doc-iimxxsth2144813.shtml
http://www.bjnews.com.cn/feature/2020/03/28/710031.html
http://hc.jiangxi.gov.cn/doc/2020/03/27/141876.shtml
http://www.nbd.com.cn/articles/2020-03-28/1420844.html
https://www.sohu.com/a/369794789_161795
https://www.sohu.com/na/381406301_161795
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2020年03月07日

常務委員はマスクを付けない

 肺炎対策が初めて議題に上った1月25日の中国共産党中央政治局常務委員会会議(以下、常務委員会会議)は、珍しく映像が公開された。
 
 記事の頭に「旧正月初日」とわざわざと書いているように、仕事をしている感じを出すために、映像を出したのではと推測される。常務委員会の報道は、通常ならキャスターが記事を読み上げ、その内容が画面に出されるド地味なものだからだ。

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 この時点では、中央が湖北省に送り込んだ中央指導組のトップ・孫春蘭はおろか、出席者は全員マスクを着用しない無防備ぶりがひどい気はするが、いつもより座席の間隔は開いてあるので、問題ないとの認識なのかもしれない。

 ただ、間隔を空けているのは中央の円卓にいる中央應對疫情工作領導小組の面々だけで、その後に控えている閣僚級以下はいつも通りのキツキツ席次だったりする。

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 その後の常務委員会会議は従前のように、キャスター読み上げとブルーバックのスタイルに戻った。他の関連会議も同様のスタイルで報じられ、次に会議の映像が出てきたのは2月23日の「統籌推進新冠肺炎疫情防控和經濟社會發展工作部署會議」だ。

 同会議は国内の肺炎感染状況について厳しい見通しを示しつつ、正確で時宜にかなったものだと党の肺炎対策を自画自賛している。

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 主席団席には常務委員7人が座り、向かいのお説拝聴席には政治局委員以下が座る。よく目にする光景だが、常務委員はマスク不着用で、お説拝聴席の面々は律儀にマスクを着用しているのが気になった。

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 翌24日の中央應對疫情工作領導小組は、組長の李克強、副組長の王滬寧が不着用、ヒラ成員の政治局委員以下やその他参加者はマスクを着用していた。湖北省入りしている孫春蘭もマスクをしている。

 常務委員はマスクをしない特権があるのだろうかと推論は立てられたのだが、サンプル2例だけで結論づけるのはよろしくないので、もう少し待ってみることにした。

 3月6日、久々に映像が出た。この日開催された決戰脫貧攻堅座談會は、貧困対策がテーマだ。主席団席の習近平、汪洋の常務委員と、政治局委員、中央書記処書記(尤權)はマスク不着用で、お席拝聴席の面々は着用していた。

 この座談会は上海や広東など地方都市とも繋がっており、彼らは全員マスクを着用している。上海、広東、天津、重慶、新疆のトップは政治局委員だ。

 前後するが、2月24日には全国人大常務委員会会議が開催された。3月に開催が予定されていた会議の延期や、肺炎の発生源とみられている野生動物の売買、飲食を禁止する法律の審議が行われたが、全国人大常務委委員長の栗戦書はマスク不着用で、その他参加者はマスクを着用している。

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 法案の説明を行う報告者はマスク不着用だったが、おそらく発言していない時間はマスクを付けさせられているか、報告が終わればさっさと退場させられているのではないか。

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 常務委員がマスクをかけないかと言えば、習近平と李克強は北京市内を複数回視察した際にはしっかりとマスクをしているし、習近平は握手を求めてきた住民に「非常時だから」と握手を拒否している。

 マスクを着用したまま話すのは不明瞭だから外しているのはなんとなく理解できるのだが、習も李も視察時にはマスクとしながら重要講話()を行なっている。

 政治局委員が立ち位置によってマスクを付けたり付けなかったりというのも意味がわからないが、常務委員が多数の人間が集まる会議で全く付けないのが理解できない。身分で特権があるのが丸わかりだ。

==参考消息==
http://tv.cctv.com/2020/01/25/VIDEbW4uFQHrZo2OKgC3Qtgq200125.shtml
http://tv.cctv.com/2020/02/23/VIDEpk03GNBU9j5TfaGA4pKE200223.shtml
http://www.gov.cn/premier/2020-02/25/content_5482792.htm
http://tv.cctv.com/2020/03/06/VIDEbuIJloCG3d2PPkJaUS4I200306.shtml
http://tv.cctv.com/2020/02/24/VIDE7HFo6ioRidAbiu446h79200224.shtml
http://tv.cctv.com/2020/02/24/VIDEAoUKjY1KzAmC9yfMrHQ4200224.shtml
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2020年03月03日

湖北省封鎖とはなんだったのか

 湖北省紀律監査委員会は省内の監獄(刑務所)を統括する管理局党委書記(局長兼任)、副局長、政治部主任ら指導部の主だった面々を解任し、彼らに対して取り調べを行うと発表した。

 この処分は、『刑滿釋放新冠肺炎確診人員離漢抵京』(刑期を終え釈放された新型コロナウイルス患者が、武漢を離れ北京に到着)した問題がネットで話題になっている件について行われた。という設定だ。

肺炎患者とは黄某なる61歳の女性だ。湖北省恩施(恩施トゥチャ族ミャオ族自治州武漢市から南西200キロ程度に位置)の出身で、県水利水産局の幹部だったが、汚職容疑で2014年に懲役10年の判決を受けた。刑期は2011年4月からカウントされ、2回の減刑が認められて、2月17日に刑期満了となっている。

 同監獄では2月21日の時点で230人の新型コロナウイルス感染者が出ていた。1月29日の時点で濃厚接触を行ったと判断された黄某は、刑期を終えた後も21日まで隔離して監察処置をとっていた。18日、19日の体温測定で37.3度を記録している。

 恩施市に住む弟、北京に住む娘は、武漢市が外部との往来を遮断しているため迎えに行けないと監獄に連絡したものの、黄某は家に帰りたいと要求したため、監獄は娘に再度連絡をした。

 娘は「方法を考える」と返答。監獄側は21日の午前に、武漢北高速の料金所まで送り届け、娘の前の夫が運転する北京ナンバーの自家用車に乗車。

 黄某は翌日の早朝に北京に到着し、娘が住む東城区新怡家園へ状況報告を行い、午後8時に隔離措置がとられ、24日に感染が確認されたため医療機関へ移送された。というのが、黄某が北京にたどり着くまでの大筋となる。

 今回の事件は、湖北省のトップが子飼いの應勇に交代してから起きている。司法部副部長を組長に中央が送り込んだ聯合調査組は、省司法庁と省監獄局にこそ指導力が欠如していて起きた問題だと結論づけているが、應勇の前任者も感染拡大に対する指導力の不足で解任されているはずなので、この説明は應勇をかばうものでしかない。

 北京側のザル体制も問題だが、刑期満了後も監獄に感染者と思しき元受刑者を留めおかず、めでたく北京の高級住宅地に感染者を送り込んだ罪は大きいと思う。

 また、2月24日の午前に一旦は封鎖解除を宣言しながら、3時間半後に取り消した件もある。現場は突然のお触れに混乱しており、全体的には通行を許さなかったケースがほとんどのようだが、何にでも例外はあるので、武漢からの流出は起きていたはずだ。

 このお触れを聞いて武漢を離れた人が何人いるのかは不明。前任者なら完全にアウトのはずだが、應勇には不思議な力が働いて予定通り2年後には政治局委員に昇格していてもおかしくない。

 さて、黄某は周永康の息子の妻で、「よほどのコネクションがないと「武漢から北京へ」は不可能なこと」と書いている人がいる。しかし、黄某が特別というわけではない。

 武漢市は1月23日午前10時から都市封鎖を行い、外部との出入りを厳しく制限している。

 建前はそういうことになっているが、武漢封鎖後に刑期満了に伴って釈放され故郷に戻った元受刑者はいるし、黄某と同じように高速の入り口まで送り届けられたケースが、他に存在することが財新の報道で明らかになっている。

 周永康には息子が2人いて、結婚しているのは長男の周濱だけだが、周濱は1971年生まれ。年の差結婚がありえないわけではないが常識的に考えづらいし、そもそも周濱の妻は黄婉という名前で、1年前に禁足状態であるとTwitterを通じて助けを求めている。

 「「黄某英」は、本物の「H女士」を隠すためのダミー」とか言い出す前に、「噂」の検証はしてほしいものだ。

==参考消息==
http://www.xinhuanet.com/politics/2020-03/02/c_1125651996.htm
http://www.bjnews.com.cn/news/2020/02/21/692852.html
http://china.caixin.com/2020-02-27/101520878.html
http://www.bjd.com.cn/a/202003/02/WS5e5ccb98e4b05d1eff0b4155.html
http://www.bjnews.com.cn/news/2020/02/29/697090.html
http://www.bjnews.com.cn/news/2020/02/29/696933.html  
https://cn.wsj.com/articles/周永康儿媳被限制出境,公开发声维权-11562138710
https://news.sina.com.cn/c/2020-03-02/doc-iimxxstf5795209.shtml
ラベル:近藤大介
posted by aquarelliste at 23:11| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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