2018年07月14日

新聞聯播の撮り直し

 毎日午後7時から放送される新聞聯播は、基本的に30分間でその日一日の常務委員が出席した会議や視察、海外からの要人との会談などを放送する。

 最近は「習近平が数日前に行った演説に、熱烈な反応」といった、李克強をトップに持って行きたくがないためだけに、無理からこしらえたようなニュースがトップを占めたりもする。

 冒頭にその日のニュースを、キャスター2人が交代しながらダイジェストで紹介する。少ない日でも15程度のトピックのうち、半分の見出しを読み上げる。宣伝は全く無いとはいえ、30分しか無いのだから、いちいちキャスターに読ませずに、後ろにでも出せばいいと思うのだが、このスタイルを頑なに守っている。

 7月12日の放送も、いつものスタイルで始まったのだが、番組が開始してから45秒過ぎ、欧陽夏たんが「習近平將對阿聯酋・・・」と原稿を読んでいると、画面の右手からどなたかが登場し、キャスター2人に原稿を渡す瞬間がバッチリと収められてしまった。

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※豪快に映り込んだ

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※撮り直しにはもちろんいない

 直前に録画だと思っていた新聞聯播が生放送だと確認できたのは収穫だったが、公式サイトに確認しに行くと、件のどなたかは出てこなかった。公式に残すために撮り直したのだ。夏たん乙です。

 それにしても、突然の登場にも表情も変えない鉄面皮、いや泰然自若か。手元の原稿ではなくプロンプターを読んでいるのだろうが、目線さえ動かないというのは特殊な訓練でも積んだ賜物なのだろうか。

 しかし、冒頭のダイジェストから1つ目のトピックに移ると、明らかに夏たんのトーンが違う。これはニュース部分は先撮りしていて、ダイジェストのみ生放送なので突然のハプニングを回避できなかったと考えるのが妥当なところ。


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 なお透明人間を表す「隠形人」は、いつも通り微博で検索不可となっている。こういうコストはどこが持つのだろうと不思議だ。高コスト体制だなあといつも思う。

==参考消息==
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2018年06月25日

六者協議とは一体なんだったのか

 6月12日、史上初となる米朝首脳会談がシンガポールで開かれた。

 中国外交部は定例の記者会見で開催を歓迎する意向を表明。そして、中国の提起していた『双暫停』が実現した。このため、現状の情勢も『双軌併進』の方針に沿って進むとの見通しを示している。

 『双暫停』は朝鮮の核実験暫時停止、米国の米韓軍事演習の暫時停止を指す。『双軌併進』は、2016年2月に王毅朝外交部長が初めて提起した。朝鮮半島の非核化と、朝鮮半島の平和機構確立を指す。

 中国の主張通りの結果となったので、中国は今回の合意を自分の成果のごとく誇っているが、中国が『双暫停』実現のために何をしたのかはよくわかっていない。恐らく何もしていないと思う。

 中国は提起してくれるのはありがたいが、「2つの●△」などという名称なのに内容に関する説明をしないまま主張するので、中国以外の国家が内容を理解しているのかは怪しい。

 習近平が中華民族の偉大な復興の具体的な目標として掲げている「2つの100年」だってそうだ。

中国共産党100周年の2021年までに、全面的に小康社会を建設する
中華人民共和国成立100周年の2049年までに、富強、民主、文明、和諧の社会主義近代化国家を建設する
 1つくらいなら覚えていられるが、中国はなぜか2つや3つ、ひどい時には6つくらいを一気にまとめるので内容を把握するのがしんどい。

 党中央レベルのフレーズなら説明も転がっているが、地方政府が当たり前のように出してくると、途端に何のことかわからなくなる。

 さて、『双暫停』が初めて提起されたのは、2017年3月の両会で開催された外交部部長記者会見だ。『双暫停』で双方譲歩することで、話し合いの席に付きやすくなるとの主張だった。この時点で六者協議については言及されておらず、中国は米朝の二者会談をすすめるようになった。

 外交部の関係者が、最後に六者協議について言及したのは、2017年9月11日。朝鮮の核実験に対する制裁決議が出た後に、劉結一・国連大使が六者協議の復活を支持すると発言している。

 ただ、王毅は4月の時点で二者でも三者でも対話さえしてもらえば歓迎と言っているので、六者協議には固執していなかったと言っていい。

 常々、対話が非核化実現の唯一の道だと主張していたから、六者が全員参加しなくともいいのかもしれないが、かつて「六者協議は非核化実現のための有効な手段」であるから、「六者協議に戻るよう」何度となく呼びかけていたのに、なんだったのだろうか。

 王毅だって六者協議の中国側代表を務めていたこともあるのだけど、局長級の話し合いでは何もならない、トップ同士が決断すれば物事は動くという教訓を残しただけだった。

==参考消息==
http://www.fmprc.gov.cn/web/fyrbt_673021/jzhsl_673025/t1568094.shtml
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1643587
http://www.xinhuanet.com/politics/2017-04/14/c_1120812558.htm
http://www.fmprc.gov.cn/web/zyxw/t1443990.shtml
http://world.people.com.cn/GB/8212/9491/57325/4902053.html
http://www.fmprc.gov.cn/web/fyrbt_673021/t1491867.shtml
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2018年06月14日

「身分証をQRコード化し香港と自由に往来」はガセだった件

中国人が香港、マカオ特別行政区に入るには、公安部が発行する往來港澳通行証が必要になる。ちなみにパスポートも外交部ではなく公安部の管轄だ。

 通行証は個人旅行、団体旅行、親族訪問、ビジネスなど、ビザのように用途で分けられている。ビザのようにパスポートに貼られるわけではなく、独立した身分証になっており、以前はパスポートのように冊子タイプだったが、現在はIDカードのようになっている。

 個人旅行の往来証が取得できるのは、まだ省都など大都市の住民に限られており、香港やマカオへの往来は完全に自由とは言えない。

 この往来証と身分証、回郷証(往来証とは逆に香港、マカオ居住民が国内に入るための通行証)などをQRコード化できるアプリを、テンセントが開発した。

 「騰訊E証通」に各身分証の内容を入力し、顔認証で身分証に登録されている顔写真と照合され、公安部の認証を経て問題なければ身分証がQRコードに生成される。

 QRコードをゲートに読み込ませることで、出入境(香港、マカオは中国から見れば境外なので、出入国ではなく出入境)ができるというもの。将来的には、出入境だけではなく、航空チケットの購入や銀行口座の開設などにも使用可能との見込みだ。

 テンセントは、範囲を香港、マカオと、両地域に接する広東省の住民に限定して、来月にも試験運用を開始すると報じられた。

 すでに自動車免許や出産証明、社会保障カード(保険証)などが電子化されており、ついに身分証も電子化か、さすが中国スゲーと感心していたのだけれど、どうも違うらしい。

 国家移民管理局は、報道は事実ではなく、一部の企業と協力した事実はないと報道を否定。

 テンセントは「6月末から内地(国内)のホテルなどで試行し、その後範囲を広げる」と具体的な見通しを出している。それらしい写真も紹介されているので、何らかの事情でポシャったのだろうか。

==参考消息==
http://t.cj.sina.com.cn/articles/view/5044281310/12ca99fde02000gh2p
http://news.cnfol.com/weishendu/20180611/26546549.shtml
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_2185457
http://kuaixun.stcn.com/2018/0612/14311715.shtml
https://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20180613/s00013/1528826403249
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