2016年03月05日

面倒なことには関わりたくない雷鋒記念日

 今日は3月5日土曜日、雷鋒に学ぶ記念日であります。

 生前は一介の兵士に過ぎなかった雷鋒が、死後毛沢東によって模範党員として格上げされ53年。その後模範党員は何人も増えていきましたが、今の今までしぶとく生き残っているのは雷鋒だけでしょう。

 博物館は2つもあるし、故郷は雷鋒鎮に改名されとるし。個人名が地名になっているのは、他には志丹県ぐらいしか思いつきません。

 雷鋒が亡くなった当時は「私心を忘れひたすら革命に邁進する」という模範党員を作り上げることは相当意義深かったことでしょう。

 そりゃ一介の兵士の写真があれだけ残っているのもおかしいですし、エピソードが日記に残ってるのも不自然だし、それを大躍進で大やけどした毛沢東側にいる林彪が見つけてくるのも変だし。

 もう架空の模範党員を作り出したんじゃないかといぶかしんでいます。生家には母親が首をくくる時に使ったテーブルが展示されてあるらしいので、実在の人物なのでしょうが。

 50年以上シンボルとなる人間が現れない裏返しでもあります。そりゃ、架空の存在ならまともな現役党員では太刀打ちできませんよね。

 雷鋒記念日に際し、上海市が行った調査結果の記事が軒並み削除攻勢を受けています。どこがまずかったのか。

6割近くの市民が「面倒恐れ」雷鋒に学びたくない(新聞晨報 2016/3/4)

2016030501.png
※記事が掲載された8面だけ削除

 ざっと見た感じでは、親切心から人を助けてもろくなことがないと考える市民が過半数を超えていました。3年前の50周年記念で行われた調査でも同じような結果が出ており、そこは問題視されてはいないのでしょう。

 調査では99.6%が雷鋒の名言を1つは覚えているという衝撃の結果も出ました。

 永遠に錆びないネジを作ろう 30.1%
 限りある命を人民に服務するため無制限に投入しよう 25.7%
 人民にとって役立つ人間となろう 17.0%
 足しても7割強なので他にも名言があるようですね。様々な名言を吐いたというよりは後からこしらえた感がありますが、レジェンドとは案外そういうものなのかもしれません。

 実は小学校では思想品徳という授業があり、日本の道徳みたいな授業で雷鋒たち模範党員の足跡を学ぶので、そこで叩き込またのが残っていただけのようです。
 
 記事の後半は、老人ホームの外に置かれていた10数箱分の果物を、規定により出処不明の食べ物は出せないので腐らるしかない、よかれと思ってやるなら名乗ってほしいとの老人ホームの対応を報じています。

 老人ホームの対応はリスクを考えれば特に責められるべきではありませんが、「面倒を恐れた」老人ホームの姿が思ったよりハマってしまい、削除祭りとなってしまったと考えられます。
タグ:雷鋒
posted by aquarelliste at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする