2016年03月13日

黒龍江省長の一言でデモ発生

 3月6日、黒龍江省内最大の国有企業である、龍煤集団に関する陸昊省長の発言が発端となり、集団のお膝元で4日間に渡る大規模デモが発生。引責辞任もありえるところまできました。

 龍煤集団は黒龍江省だけではなく吉林、遼寧を含めた東北3省を含めて最大の炭鉱がある双鴨山市に本拠地を構え、その生産数は過半数ともちろん省内トップ。人口150万人の同市で24万人を雇用する企業です。

 2012年をピークに、世界規模の石炭価格が下落、集団自身の高コスト体質、さらに18万人の退職者を抱え、赤字に転落して4年目の昨年は給料の遅配が続き、国慶節用のボーナスを支払うために1億元を借り入れたとも報じられています。

 2013年の上半期の時点で17億元の損失を出しており、当時給与支払いのため省国資委に支援を求めています。それまで抱えていた教育機関や病院を手放すなど、ある程度身軽にはなっていたのですが、世界最大の炭鉱企業である中国神華の生産数の10%程度ながら、現時点での職員数は神華の21.4万人を超える22.5万人。

 2013年時点から3万人の削減は出来ていたもの、高コスト状態は解消されていませんでした。高コスト体質は、「龍煤の1万トン採掘に必要なコストは全国平均の3倍」との陸昊談話でも解消されていないことがわかります。昨年9月から林業にうまく「分流」できたものの、その数は2.5万人にとどまっています。

 国慶節を前にした9月22日、同グループは「重病のグループはまず止血をする」ため、10万人前後を分流すると発表しました。この発表は程なく削除されています。「分流」はそのまま翻訳すれば配置転換ですが、解雇だろうことは察しがつくわけで。

「龍煤集団8万人には1ヶ月の給料遅配もない」(澎湃 2016/3/6)

 といった状況下で陸昊は「工員8万人に対して、現在まで1月の収入の遅配も、1元のカットもない」と言ってしまったわけで、最低限の生活補助800元だけしかもらっていない工員は発言当日からデモへ。

2016031301.jpg
※「我々は生きなければならない、食い物がいる」

 「我々は生きなければならない、食い物がいる」「陸昊は目を開いて話を聞け」などのスローガンを手に、工員だけではなくその家族らも参加。道路や線路上に出て抗議活動を展開しています。



龍煤集団への給与未払いを黒龍江省長が認める 以前と異なる発言(黒龍江省政府網 2016/3/12)

 あばばば状態の陸昊は12日に龍煤集団問題を検討する会議を開催し、対策を講じると表明しました。前言を撤回するのも、地元で起きたデモに圧されて支援策を打ち出すのもかなり情けないですが、陸昊もこれ以上どうしようもないんだと思います。

 作業員の給料遅配は確かにある。この問題では言うことを違えた。報告に間違いがあったとしても、誤りだ。誤りは正さなければならない。正してこそ問題は解決する。
 報告が間違っていたという言い訳はしつつ、全面降伏ですね。

 今回の騒動は、政府活動報告で李克強がゾンビ企業の清算を訴えたことと無関係ではないでしょう。

 これまで、社会不安を引き起こさないように、国有企業の雇用を確保するため政府から補助金を出して支えていたわけで、李克強の「適切に処理する」発言は工員の耳には「赤字のウチも潰される」と聞こえたかもしれません。

 ただ、嘘をついた、ということで陸昊一人の責任にされてしまいそうな気もします。正確な情報が上がってこなかった、というのは言い訳にはなりませんからね。

==参考消息==
http://finance.sina.com.cn/chanjing/gsnews/20130720/000316186225.shtml
http://m.21jingji.com/article/20151010/6acec5d0e7372f77ccbabe054760ee31.html
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/03/160313_china_miner_protest
http://cn.rfi.fr/中国/20160313-谎称没欠薪触发千人游行后-省长改口认信息不实
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160313/s00013/1457805946709
http://news.jinghua.cn/806/c/201603/13/n3958027.shtml
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1443474
http://www.bjnews.com.cn/news/2016/03/12/396824.html
posted by aquarelliste at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする