2016年06月29日

党大会直前恒例の大物失脚法則発動か

 党大会前に政治局委員からいけにえが一人差し出される法則にのっとれば今年あたりそろそろなのですが、李源潮がそのいけにえなのかもしれません。

 李は前期の第17期を中央組織部長という党の人事、現在は反腐敗運動にも一枚噛んでいる重要ポストの長を務めていました。

 曽慶紅、賀国強と、組織部長経験者は二期連続で常務委員会入りをしており、政治局委員のままなんの兼任もなく国家副主席だけをもらって足踏みする結果になるとは予想外でした。

 閑職への送られっぷりは令計画と双璧です。令は中央弁公庁、中央書記処から外されて党直属とはいえ格下の統一戦線部長に、李は国家副主席というそれだけでは何の力も持たない職務に追いやられています。

 中国の国家主席はPresidentという大層な対訳は付いているものの、その職務は勲章の授与や大使の派遣など儀礼的なものに限られています。その国家主席を助け、不在時に代理となるのが副主席ですが、VPと名乗りたい人以外は単独で受けるような大層なものではありません。

 さて、李が江蘇省から連れてきたという秘書が連行され、釈明のために李自身も中央紀律検査委に出向いているとのこと。また、李の妻と運転手も連行されているという話です。


※中紀委があるという平安里西大街41号

 秘書、運転手から取り調べを受けるのは失脚させたい対象が必ず通らされる道で、李もめでたく第一段階を無事通過したわけですが、嫁さんもお声がかかるとなると、これは汚職の疑いも上がっていそうです。家族ぐるみで何かやってましたと考えられますからね。

 李の秘書は趙姓、もしくは張姓とはっきりしませんが、2006年の江蘇省トップ時代に米国を訪問した際、省委弁副主任として趙学為の名前がありますので、おそらくこの人でしょう。

 李は中央入りするまで江蘇省のトップだったのですが、当時の秘書で、失脚当時は副省長だった李雲峰が中央紀律委に引っ張られて1ヶ月経たない内の出来事です。

 李の友人の話として、拘束されたのは趙ではなく別の秘書であり、妻も連行されていないと反論が伝えられています。友人の話が本当であれば秘書が連れて行かれたのは事実となりますし、こういう噂が立つ人は大体失脚しています。

 李が頼みとする腹心が6人いるそうで、羅志軍(江蘇省委書記)、仇和(雲南省委副書記)、王珉(前遼寧省委書記)、趙少麟(元江蘇省委秘書長)、王栄(広東省政協主席)と李雲麟らしいのです。

 王栄以外の5人はすでに失脚しており、王栄も閑職の政協主席送りとすべて一掃されております。外堀から埋めるのは周永康もやられた手法ですね。

 今日は3つの省で省トップが入れ替わっており、人事の季節を感じさせる次第です。李源潮はキューバの特使と笑顔で会見していましたが、これが続くかどうかは今のところわからないのです。

==参考消息==
http://cn.rfi.fr/中国/20160628-传国家副主席李源潮的一位秘书涉案被调查
http://hk.apple.nextmedia.com/realtime/china/20160629/55291372
http://www.nycba.us/ch/processActivity.php?aID=83
タグ:李源潮
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2016年06月21日

事務所設備の予算に「厳しい」お達し

 財政部は6月20日、党中央、国務院など中央クラスの機関を対象とした事務所のオフィス機器やオフィス家具について、価格や使用年数を定めた基準表を公表しました。

 あてがわれる事務所の広さには、閣僚級、局長級などのクラスに応じた規定がありましたが、なるほど次は中身ですか。中国はこういう細かい設定が大好きですよね。実際には運用されないのですが。

 エラいさんの事務所に行くと、實木(天然木)を使用した凝った作りの机やら棚やらが置かれていますが、ああいうのを念頭に置いた引き締めでしょうか。反腐敗の一貫であることは間違いありません。

「中央行政単位事務設備・家具の設置基準」に関する通知(財政部 2016/6/20)

 デスクトップ、ノートPC、プリンター、コピー機、事務用机、ソファーなどのどこの国でも見慣れたオフィス機器や、茶卓、茶器置きなど中国らしいものまで、中国の事務所にありそうなものは大体網羅されています。

 2009年に出された通知と比較すると、ここ数年来の物価高の影響でアイテムごとの上限はかなり上がっている反面、これまではなかった事務所員の人数に対する台数や、カラープリンターとモノクロプリンターを分けたりなど細かくなっています。またノートパソコンは安く抑えられていたりします。

 ダブルベッドがリストにないとか言ってはいけません。「辦公」という文字を見ると、どうしても老板のオフィスを想像してしまいがちですが、ここで想定されているのはいわゆる事務所も含まれます。

2016062101.png
※添付1

2016062102.png
※添付2

 添付1(附1)に記載されているのは事務所のオフィス機器ですからキックバックに、添付2(附2)の家具は老板オフィスにありがちなものですから、贈り物に使われていたりしたんでしょう。

 逆に言えば、このリストに載っているものは買ってもいいとのお墨付きを得たわけです。

 コピー機は20人でも20人以下でも一台購入することが可能ですから、事務所をいくつにも仕切って台数を水増しするという抜け道を考えつきました。

==参考消息==
降級についてのまとめ(2015/9/20)
タグ:反腐敗
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2016年06月19日

【銅鐸湾書店】中央専案組は何を調べているのか

 昨年10月に中国に入国してから行方が分からなくなっていた銅鐸湾書店の林栄基・店長が16日、これまで自身の身に起きた件について記者会見を開きました。

 日本語ではBBCの英語版を翻訳した日本語版が、会見の内容や背景についてうまいことまとまっています。

 会見の中で、林は「この事件は私個人のことではない」と発言しています。言うまでもないことですが、李波が散々強調してきた「私個人のことである」を意識したものです。

 林は会見前に李とも面談し、「自分の意思に反して連れ去られた」との発言を引き出しています。この会見後、李はフェイスブックで上述の発言や、林が会見で明かした内容を全否定。外交部も「李が否定している」として、質問をかわしています。

 林は自身を連行したのが国家安全部、公安部、解放軍ではなく中央専案組と明言しました。中央と名前に付くくらいですから、共産党中央直属の組織であり、少なくとも正部級以上だろうと推測されます。

 中央専案組は文化大革命の頃、劉少奇、彭真、彭德懷といった大物を取り調べたチームで、当時の組長は周恩来だったと言われています。現在は、紀律検査、公安、検察など複数の部門から選抜された人材で結成されており、依然として超法規的な集団です。

 個別のチームは「劉少奇専案組」「彭真専案組」といった名称になります。最近では、周永康、薄熙来や令計画といった反腐敗の親玉、「習近平降ろし」を報じた新疆のメディア・無界新聞についてもチームが結成されているようです。

  上海市紀律検査委員会から抜擢された有能な職員が、中央専案組に協力して重大な案件の調査に関わっていることを、中紀委自身が公表しています。中央専案組は今もって存在しており、存在自体も秘密ではありません。

 環球時報は社説で「全世界の『強力な部門』は、調査対象者に法律を回避して協力させる方法を持っている」と書いていました。そういった組織がどこの国にも存在するであろうことは誰も否定しませんし、環球時報も一般的な話として書いたのかもしれませんが、いまになって読み返すと中央専案組の存在を示唆していたとも取れますね。

 では、なぜ中央の名前をかかげる組織が、書店の店長を禁足状態においていたのか。

 扱っていた書籍がゴシップとは言いつつ、意外と真実が書かれていてその情報源を探していたりするんでしょうか。そうなると、習近平はかなり度量の狭いおじさんということになってしまうのですが。

==参考消息==
https://theinitium.com/article/20160616-dailynews-hkbookseller-lam-wing-kee/
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160616_hongkong_bookstore_reactions
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_hongkong_bookseller_revelation
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_china_hongkong_bookshop_hua
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/multimedia/2016/06/160616_vid_hk_bookseller
http://www.bbc.com/zhongwen/trad/china/2016/06/160617_ana_hongkong_causeway_bookstore_special_unit
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_ana_hongkong_causeway_bookstore_special_unit
http://news.mingpao.com/ins/instantnews/web_tc/article/20160618/s00001/1466186153577
http://news.mingpao.com/ins/instantnews/web_tc/article/20160617/s00001/1466169449286
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187201883
http://hk.apple.nextmedia.com/news/art/20160617/19657787
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187196018
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187202242
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160617/s00001/1466100737858
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2016-01/8323385.html
http://news.qq.com/a/20160618/007096.htm
タグ:銅鐸湾書店
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