2016年07月09日

視察の写真撮るのもうやめたらどうですか

 中国中南部の10の省で大雨が続き、長江などの氾濫で各地で洪水が発生しています。今週末には台風1号も襲来し、弱り目に祟り目の中国。

 その水害の状況を確認にやってきた官僚を捉えた写真が話題になっています。


※嫌な記憶しかない玄武区の地図

2016070801.png
※無理して見に来なくても良かったのでは

 ゴムボートに乗ってこちらを指差しているのは、南京市の中心地にあり、南京駅のある玄武区の蘇鄭・副区長。人肉捜索であっさりと特定されてしまいました。

 右側の同乗者に自分を撮影させているように見えるこの写真が微博で出回り、「災害時にまたパフォーマンスか」と盛り上がってしまったため、同区の公安分局が声明を出す事態になりました。

 声明によると、水深1メートル以上にも達している上、水流がきつく危険なため公安が支えていた。もちろん市民の避難でも同じように公安が付き添った。同乗者は被害現場の街道書記で、蘇ではなく画面左側の状況を撮影していると弁明。南京市宣伝部も「完全な誤解だ」「角度の問題だろう」と援護射撃しています。

 これまで数多くのフォトショ視察が世に出回ってしまったため、少しでもおかしいところがあると叩くのはしかたないと結論づけているメディアもあり、濡れ衣を着せたネットへの対応に優しさを感じます。事実ではないと一刀両断にせず、誤解ですと言うときは大体やましいところがあると見ています。

 宣伝部も誤解を生むような写真を配信するのは良くないですよね。新華社あたりだと構図は最高なんですが、地方はそこまでの時間的、金銭的余裕がないのでしょう。

 玄武区によると、蘇は病み上がりだが連日一線で指揮を取ったと説明。新華社が紹介するネットの声には称賛の声であふれています。ただし、彼女は体調不良を訴え、再度入院措置となりました。


==参考消息==
http://www.weibo.com/2834778230/DDJDSxjWN?from=page_1001062834778230_profile&wvr=6&mod=weibotime&type=comment#_rnd1467984762661
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1495058
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1495064
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1495066
http://news.xinhuanet.com/local/2016-07/08/c_129126835.htm
http://news.cyol.com/content/2016-07/08/content_13045843.htm
posted by aquarelliste at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2016年07月05日

「核心」に近いかそうでないかの明と暗

 先週から地方自治体のトップ、国務院のトップの交代が相次いでいます。李源潮の進退問題も噴出してきており、人事の季節到来を感じずにはいられません。

 習近平が福建、浙江時代の部下を次々と引き立てていることは、以前何度かまとめましたが、出世している側ばかりではつまらないので、干されている側と対比してみました。

 まずは浙江省第二の都市であり、省都ではないにもかかわらず副省級の寧波市の歴代書記をご覧ください。

1999.9-2003.11 黄興国(62) 天津市委代理書記
2003.11-2010.8 巴音朝魯(60) 吉林省委書記
2010.8-2013.4 王輝忠(60) 浙江省委副書記
2013.4-2016.2 劉奇(59) 江西省委副書記
 黄興国は失脚した令計画の穴を埋めるため、異動した前任者の代理として後任を務めています。年齢的にも第二線に引っ込むにはもう2年ありますし、天津市には留まらなくてもおそらく政治局委員には昇格するとみられます。

 黄は習近平とはほとんど接点はなさそうで、厳密に言えば部下の括りには入らないのですが、代理書記をすでに1年半以上務めていることから、ある程度信頼は置いていそうです。省級の代理書記を経験すると、もれなく政治局委員に昇格するという素晴らしい前例もあることですし。

 巴音朝魯と劉奇は『之江新軍』と呼ばれ、浙江時代の部下の中でも特に忠誠心が厚く、出世のスピードにもブーストがかかっている人たちです。

 寧波は正書記だけではなく、次期政治局委員を飛び越えて常務委員入りの可能性も取りざたされている陳敏爾(貴州省委書記)や、山西省指導部が半壊したあと、副書記に推された楼陽生が副書記クラス経験者として控えています。

 続いて、周永康さんのおひざ元であり、旧家の補修とそこに通じる道路の舗装を全額負担したという、江蘇省無錫市の歴代トップが現在どうなっているかを見てみましょう。

2003.2-2004.10 王栄(58) 広東省政協主席
2004.11-2011.3 楊衛沢(54)党籍はく奪
2011.4-2011.12 毛小平(59)党籍はく奪
2011.12-2015.1 黄莉新(54)南京市委書記
 黄莉新は失脚当時に南京市委書記だった楊衛沢の後任なので多分セーフでしょうが、王栄は若くして政協送り、かつ李源潮の腹心。少し前に紹介したように、李が頼みとする腹心6人の生き残りです。

 無錫は正書記が2人失脚した以外にも、副書記経験者がこの1年で2人自殺というなかなかのハイスコア。一度空気を味わいたいものです。
posted by aquarelliste at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2016年07月04日

【速報】令計画に無期懲役判決、控訴せず

2016070401.png
※「法廷は公平」となぜ事前にわかるのか

 やはり非公開で始まっていましたね。というかもう終わってしまいましたが。

 収賄が無期、政治権利の終身剥奪、個人財産の全額没収、国家秘密の違法取得が懲役5年、職権乱用が懲役4年でした。

 国家機密については、統一戦線部長時代の在任中となっています。中央弁時代の部下だった霍克らを使って、ダダ漏れだったようですね。令計画の失脚直前に霍が国家旅行局に転属させられているのも、漏えいを食い止めるため遠ざけたのでしょうか。

 周永康に入っていたという「絶対秘密級」と「機密級」の文書ですが、令計画が霍から得たのはそこまでではなかったのか。機密を掴んでどうしたかもはっきりとされていませんし、単に国家機密保護制度を破壊したと非難を受けております。

 弁公庁主任時代ではなく、そこを外れてから昔の部下を通じてというのは、自分の置かれた立場を理解していたのだなあと感じると同時に、弁公庁って結構すごい秘密握ってんのかしらというのと、本当に機密保持がザルだな。この3つですね。

 それにしても、いつもながら収賄の内容が肩透かしです。収賄で挙がった名前を書き出すと、楼忠福(広厦控股集団董事局主席)、崔曉玉(四川維持徳通信技術董事長)、潘逸玉(内蒙古自治区副主席)、魏新(方正集団董事長)、李春城(四川省委副書記)、白恩培(雲南省委書記)。

 習近平が何度も何度も講話で叩いてた「派閥主義」の権化ともいうべき、西山会とは一体何だったのか。兄の政策を始めとする山西省のお仲間の名前も出てきませんでした。

 一つだけ気になるのは、職権乱用の下で「特定の関係者である陳X、張XXおよびその親族のために、人事異動、不動産購入、昇進、戸籍移動などで便宜を図った」とあるのですが、その関係者さんの名前は今日の時点では明かせないのか、という点ですね。次の大物にでも繋がっているのでしょうか。

==参考消息==
http://news.xinhuanet.com/legal/2016-07/04/c_1119160963.htm
http://tv.cctv.com/2016/07/04/VIDEGM6w6XwKw5J5tZk17iZJ160704.shtml
タグ:令計画
posted by aquarelliste at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする