2016年07月20日

ケンタッキーボイコットにイデオローグの影

 7月17日から、唐山市楽亭県(以上河北省)、揚州市、連雲港市、泗洪市、宿遷市泗陽県(同江蘇省)、長沙市、郴州市(同湖南省)、杭州市、浦江市(同浙江省)、臨沂市(同山東省)、滁州市、広コ市、寧国市(同安徽省)など、中国各地にあるケンタッキーの店舗前でボイコット運動が展開されています。

 現地公安は各地の店舗に営業停止、照明を落とすよう求め、微信や微博などで呼びかけに応じた人民から店舗を守備する事態に発展。

 宿遷市泗陽県公安局は公式微博で「軽々しく盲従しないよう」「愛国の情熱を表現するのはいいが、法律の限界を絶対に超えてはならない」「現在最高の愛国とは理性的、平和的に愛国的感情を表すこと」と、反日デモの後を彷彿とさせる文言で、注意を呼びかけています。

 北京市は17日まで「戦時体制」に備える緊急通知を出しましたが、内容は「突発的事件などに対する情報収集と世論対応工作を強化」でした。突発事件とはデモや暴動を指しており、フィリピン大使館の警備もその一環です。

 厳戒態勢の北京を避け、警戒が緩いというか全く警戒していない地方での開催に切り替えたということなのかもしれません。地方とはいえ杭州、長沙はいずれも省都なんですが。

 フィリピンにはわかりやすい標的が中国国内にない、日本を目標にすると予想外に盛り上がってしまうといった懸念からアメリカが選ばれたのでしょう。

 今の所は、店舗が襲われたり、アメ車に乗ってたおっさんが半殺しにされたり、毛沢東の肖像画を掲げたりといった事態にはなっていません。スローガンを見ても、仲裁裁判については触れず、ただただボイコットを呼びかけるのみ。反日デモとは異なり、なかなかに理性的です。

 宿遷市泗陽県公安局が「集会やデモは、公安に計画を提出し許可を得る必要がある」と釘を刺しているように、各地の抗議集会の一部は無許可で開催された可能性が考えられます。少なくとも同地はそうだったのでしょう。

 現時点で参加者は過激な行為には出ていないものの、中央メディアの1つである新京報は社説で、「過去の愛国的行為はいずれも理性的な範囲から外れていた」と、抗議活動の拡大に警戒姿勢を見せています。

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※現在は削除されている模様

 呼びかけ人の1人と見られるのが、中国社会科学院の朱継東で、15日以前に「国を挙げてケンタッキーとマクドナルドでの飲食をやめよう。2日あれば世界は驚くだろう」と微博を通じて呼びかけています。

 「あいほん使って愛国とか」などとネットで叩かれているわけですが、「誰も傷つけてはならない」と最初から予防線を張っています。

 ただし、当該ツイートを削除していることから、本人が考える以上に広がってしまったのではないでしょうか。朱継東はイデオローグとして党にべったりの発言が続いていますが、トカゲのしっぽ切りにされるかもしれませんね。

==参考消息==
http://www.bjnews.com.cn/opinion/2016/07/19/410394.html
http://news.163.com/16/0719/08/BSARTEJP0001124J.html
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160719/s00013/1468864547035
http://cn.rfi.fr/中国/20160719-社科院干部用苹果手机号召杯葛肯コ基笑翻一缸网民
http://opinion.huanqiu.com/shanrenping/2016-07/9191850.html
http://news.ifeng.com/a/20160719/49402186_0.shtml
http://news.stnn.cc/shwx/2016/0719/335677.shtml
http://news.sohu.com/20160719/n460011566.shtml
http://www.weibo.com/1913092200/DFmNiuJ5z?from=page_1001061913092200_profile&wvr=6&mod=weibotime
posted by aquarelliste at 08:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする