2016年09月19日

中国にもマジレスはある

 今年の九一八は発生から85周年でしたが、習近平は式典に出席するどころか、どこかに篭っているようで、謎の習近平名言集が新華社トップを飾る状態が続いています。

 満州国建国から日中戦争に至る端緒となった柳条湖事件。中国では九一八事変と呼ばれる9月18日は、いわゆる敏感な日として日系企業がイベントをぶつけたりすることは避けられ、大使館からも派手な動きはしないよう通達が出る、在中日本人は大人しくしている日の1つです。

 正直申し上げると、私はこの時期に限らず年に何回か存在する「敏感な日」が、どの程度敏感なのか感覚がわからないのですが、過去の事例を紹介しておくと、2011年の当日、蒼井そらが「超開心」(超楽しい)と書き込んで中国人ユーザーに「何が楽しいんだ」と叩かれたことがありました。

 中国側ですと、もうすぐ大儲けを意味する「就要發」が、九一八と発音が似ていることから、逆にイベントを持ってきたがるようで。昨今の自粛モードから表立ってはやらないみたいですけど。

 日本にも仏滅には結婚式をしない、友引に引っ越しはしないなど六曜を気にする人もいて、そうした業界はここぞとばかり値段を下げてくるのですが、中国における「敏感な日」はいかがなもんでしょうか。

 九一八の説明が長くなりました。今年は福原愛が披露宴で介添え役を務めた五輪金メダリスト・王楠の夫である郭斌が、微博に書き込んだツイートを巡る動きが興味深かったので、まとめておきます。

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※嫁もわかってやってるぽい

 屈辱を受けた人の気持ちが休まることはなかなか難しい。例えば九一八だ!国家全体が、自分たちより遥かに小さいクソ国家からこれ以上ないほどの恥辱を受けた!私は日本への訪問経験があるが、電化製品を含めて日本製は使ったことない!それに、日本のホテルでは小人のごとく蛇口を全開にしてやった。スカッとしたぞ!意味ないわ!やっぱりみんな真面目に頑張ったほうがいいな!
 私は、このツイートの意図するところは、「ああ、こいつは愛国者のフリをして、実際は愛国者をバカにしているんだな」だと読んだのです。

 ところが、皮肉を理解できない連中が多いのか、国士様の琴線に触れてしまったのか、「水の無駄遣いは良くない」「理性的に愛国すべき」とマジレスの嵐となり、削除してしまったようです。

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※中国語の上手い人翻訳よろしく

 削除しつつも、「色々問題点が出てきたけど、そういうのとは距離を取っていこう」と煽りを忘れないツイートをしていて、なかなか面白い人だなと感心してしまいました。

==参考消息==
http://news.163.com/16/0919/12/C1AVFJQU00011229.html
http://www.weibo.com/5921477575/E8Y9aFU0m?from=page_1005055921477575_profile&wvr=6&mod=weibotime&type=comment
ラベル:九一八
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2016年09月12日

組織部目線で楽しむ天津の後任

 実は、ともったいぶるようなことでもないのですが、十九大(第19回党大会)の人選リストを少しずつ進めるという、組織部目線の作業をしているのですが、黄興国を削るハメに。

 代理書記というのは、省長がまず代理省長として数ヶ月過ごす慣例があるのとは異なって、前任の書記が解任された後を任される場合にしか生まれないポストで、私としては信頼しているからこそ後を任されたと見ていました。

 トップの書記だけがドロドロの真っ黒なのに、省長以下がクリーンでヘルシーな訳はなく、安全なのは信頼できる部下を送り込むことですが、二番手の省長に代理をさせるくらいだから、次は代理を外して政治局委員も固いものとばかり。

 代理書記はいずれも政治局委員以上に昇格するというデータもあるんですよ。もともと政治局委員だった尉健行と張徳江は常務委員に昇格しているし。

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※湖北省長は現在不在です。

 先ほど完成した、地方自治体トップ2リストです。ご確認ください。人名でフォントを大きくしているのは、習近平の腹心さんになります。今年6月から実に11の省、自治区の書記が入れ替わっています。

 注目は新疆自治区で、陳全国はいち早く政治局委員が確定したのと、張春賢の行き場所がまだ決まってないことでしょうか。

 一瞬だけ張春賢との情報も流れた天津市委書記の後任ですが、新疆トップを解任され目下無任所の張春賢がワンポイントリリーフを務めるのか。それとも地方経験が豊富な汪洋か、もしくは天津時代が超長い浙江省委書記の夏宝龍あたりの人選が現実路線と見られます。

 習近平ゴリ押し人事なら、ものすごい勢いでジャンプアップしている李強。浙江時代の秘書長ですが、彼は6月に江蘇省委書記に転出したばかりですので、まあ無いかなと。
ラベル:組織部 十九大
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2016年09月10日

「機内誌は国航を代表しない」

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 中国のフラグシップである中国国際航空(国航)の機内誌・『中国之翼』の最新号に掲載されたコラムで、人種差別丸出しの「助言」をしていたことで、英国の国会議員が駐英大使に抗議書簡を送る事態にまで発展。機内誌の作成に関わった出版社と国航が謝罪に追い込まれています。

 「謝罪」と思って読んでいったらとんでもありませんでしたが。





 米ニュース放送局・CNBCの北京駐在プロデューサー、ヘイズ・ファンさんのツイート。そしてインド人が多く住む地域選出のインド系議員、ヴィレンドラ・シャルマさんでした。

中国国際航空、機内誌でロンドンについて人種差別的「助言」(BBC日本語 2016/9/8)

 機内誌の記事はロンドンの安全案内として「ロンドンは全般的に旅行するには安全な場所だが」と前置きした上で、「主にインド人やパキスタン人や黒人が住む地区に入る際には、注意が必要。観光客には、夜間は独りで外出せず、女性は常に移動中は複数で行動すべきです」と「助言」している。
 CNBCの記事でも指摘しているように、5月には洗剤のCMで差別意識を露呈させたばかりか、何が問題かわかっていない鈍感さを見せつけたばかり。

 この時CMを打った企業の反応も「ネットが騒ぎすぎ」とひどいものでしたが、同誌を出版した中国航空傳媒有限責任公司の「謝罪文」も謝罪になっていませんでした。

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※出版社の謝罪

 中国航空傳媒有限責任公司が刊行する『中国之翼』は、貴社の飛行機に配布されております。9月号において、我が雑誌社と英国旅行局が協力したコラムにおいて、編集作業において誤りがあり、適当でない表現が出てしまいました。

 ロンドンの美しい景色を積極的に宣伝しようとの初志に反し、一部メディアや読者の誤解を招いてしまいました。貴社の経営やブランドイメージに非常に大きな影響を与えてしまい、ここに深く謝意を表します。
 
 『中国之翼』は航空旅行雑誌として、これまで世界の風景、人情を多くの読者に紹介してきましたし、読者と共に世界の美を見つけることに没頭してまいりました。今回のコラムのける不適切な表現は、純粋に編集業務の誤りであり、本雑誌社の意見とは異なります。

 我々は、今月号すべてを直ちに回収し、真剣に教訓をくみ取り、管理強化を行い、同様の問題が二度と出ないよう確実に保証してまいります。我々も、御社を通じて今回の件で不愉快な思いをされた旅行者と多くの読者に真摯なる謝罪をいたします。
 雑誌社が謝る相手は国航なんですね。ビビりました。次に国航です。

 中国国際航空公司(国航)は、旅行客の購読需要を満足させるため、目下航空機に100紙近い境内外の他言語の新聞、雑誌を備えている。『中国之翼』はその内の1紙だ。これらの雑誌は機内でゆっくり過ごすために備えているだけであり、各新聞、雑誌に掲載された文章はすべて国航の意見を代表しない。

 『中国之翼』9月号の「ロンドン 礼帽の下の風格と頑健」において、安全案内の部分で不適当な表現があった。この問題が発覚後、国航は直ちにすべての航空機から当該誌を撤去し、『中国之翼』の雑誌社に真剣に教訓をくみ取り、内容の審査を強化し、同様の問題が再度発生しないよう要求している。

 世界6大陸に航路を持つ航空会社として、国航は常に世界各民族の文化、風俗を尊重してきた。同時に、世界各地で現地に住む各民族を大量に雇用し、彼らとはずっと仲良くやっている。世界各民族人民の友好に共に尽力し、対等に交流し、空中に橋をかけ、これまでと変わらず全世界の旅行客のため優れた航空サービスを提供する。
 『中国之翼』の公式サイトには「中国国際航空唯一の機内誌であり(中略)傘下の航空機に備えられています」と説明されています。表側の表紙には国航のロゴもあることですし、機内に置いているだけと関係を否定しても意味がないことはわかっているはずなんですが。

 両者以上に鈍感なのが。環球時報やフェニックスといったメディアです。環球は「悪意はない」とかばえば、フェニックスは「外国人が中国は謝る必要ないって言ってくれてるよ」ですからね。

 悪意がなく無意識にやっている方がタチ悪いですし、「中国に味方をしてくれる外国人」は中国が劣勢に立たされている時に中国がよく使う手法です。

 フェニックスなんぞはどこぞのまとめブログよろしく、微博から拾ってきた各人種が人口に占める割合と、人種別の服役者数など貼り付けています。

 ネットの声は一部だけを拾えば思い通りの筋書きが作れるので、彼らが何を言っているかは気にしないようにしています。ただし、それをまとめて自社のサイトでやるなら、自社の意見とみなされても文句は言えません。記事には責任編集とあるので、「フェニックスの意見ではありません」と後から逃げを打つことはできません。

 同じことを中国人もやられているはずなんですが、他人の痛みには鈍感な人たちですからね。

==参考消息==
http://www.cnbc.com/2016/09/07/air-chinas-safety-tips-for-london-visitors-may-raise-eyebrows.html
http://news.carnoc.com/list/366/366401.html
http://www.wingsofchina.org
http://news.ifeng.com/a/20160909/49944434_0.shtml
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/09/160908_air_china_reax
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2016-09/9420205.html
posted by aquarelliste at 13:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする