2017年04月18日

胡耀邦夫人の葬儀

 1980年代に総書記を務めた胡耀邦の妻・李昭が、去る3月11日に亡くなりました。

 共産党員としては目立ったキャリアはない李昭でしたが、北京市のメディアである新京報が17日に告別式を挙行予定と報じ、これは両会閉幕に合わせて日程調整があったのだと考えました。もちろん習近平たちが出席できるようにです。

 残念なことに葬式記事はいつまで経っても出て来ず、葬儀をすっ飛ばして李昭は江西省共青城市にある夫の墓に埋葬されていたのです。

 新華社、人民日報の報道無かったよなと自分を落ち着かせながら胡耀邦公式サイトを確認すると、葬儀はしっかり17日に挙行されていました。

 告別式には習近平をはじめとする現役常務委員、政治局委員、胡錦濤ら引退した大物党員が参列、姿を見せなかった江沢民らが花を贈ったことが書かれています。常務委員クラスが参列しているので、李昭の葬儀は副国級クラスと推測されます。

 胡耀邦の総書記時代に中央弁公庁主任として仕え、亡くなってからも追悼文で尊敬の念を隠さない胡啓立が、見舞いや弔問に足を運んだとあります。末期に弁公庁主任を務め、告別式に一番乗りしたという温家宝も合わせて、2人の動きが際立っています。通常の葬式記事ではこういうスタンドプレーはあっても出て来ません。

 習近平の母親・斉心も参列しています。斉心が花輪を出した故人はいずれも習仲勲に近い人たちだったのですが、今回は珍しく姿を表したようですね。

 胡耀邦との仲は悪くはなかったのですが、どうも斉心の名前がが出てくると素直に受け取ることができません。肩書きは習仲勲夫人であっても、結局は現役総書記の母であるからです。

 今回は習仲勲以外の夫人も参列しています。李先念、楊成武、秦基偉の妻が存命で、参列したようですが、この順番で序列がついてしまっています。習と李なら李の方が上のような気もしますが、20年前とは違うということなんでしょう。

 常務委員の姿を捉えた写真は胡耀邦公式にもなく、花輪のみの写真という処置です。花輪を送って参列はしないケースもあり、花輪は葬儀参列の証拠にはならないものの、胡耀邦公式が出席したと主張するんだからまあ間違いはないでしょう。

 当日の常務委員たちの動向を確認すると、サウジアラビア国王との会見に16日に習近平、17日に李克強、張徳江が出席。習近平は17日にルアンダ大統領と会見、各国新任大使との面会、李克強が国務院常務会議の開催となっています。

 各国大使との握手会に入る人民大会堂の映像から、午後3時ごろぽいと確認できる以外はいつ頃の同行なのか確定はできないのですが、記事のタイムスタンプが午後の7時以降なので、恐らくは午後からのイベントと推測されます。

 李昭の告別式は午前9時からで、20分後の9時20分ごろに「軍VA01」のナンバーを付けた車両が去ったそうです。軍VA0で始まるナンバーは、党と国家指導者の警備に当たる北京衛戍区の車両なのでまず間違い無いでしょうね。滞在時間はかなり短かったのは、後のイベントがぎっしりだったからでしょう。

 にしても、常務委員が全員集合状態のビッグイベントなのに、報道されないというのは不思議です。逝去の一報も削除攻勢に遭っていたりで、格式にそぐわない印象は否めません。

==参考消息==
http://www.hybsl.cn/bwtegao/2017-03-18/64914.html
http://www.hybsl.cn/bwtegao/2017-03-16/64895.html
http://cpc.people.com.cn/n1/2017/0321/c87393-29159452.html
http://news.ifeng.com/a/20170318/50795444_0.shtml
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/16/c_1120641501.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120649652.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120647986.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120649037.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120649499.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120649639.htm
http://news.xinhuanet.com/politics/2017-03/17/c_1120649652.htm
https://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170318/s00013/1489773352752
https://news.mingpao.com/ins/instantnews/web_tc/article/20170317/s00004/1489745042946
タグ:胡耀邦 葬儀
posted by aquarelliste at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2017年04月06日

趙紫陽の埋葬問題が決着しそう

 2015年10月に紹介した、趙紫陽の遺灰問題に決着がつきそうです。


※思ったより中心部にあった富強胡同

2017040501.jpg

 趙紫陽は2005年1月に逝去してから12年間、生前軟禁されていた自宅に遺灰が留め置かれていました。中央弁公庁は総書記経験者としてではなく、局長クラスで八宝山に埋葬させたいと持ちかけたものの家族が拒否したためです。

 お盆に当たる今年の清明節は4月4日。三連休となり各地で旅行客が溢れかえる一方で、天安門事件で家族を亡くした遺族の墓参りが監視下で行われたり、活動家が清明節前後に旅行させられたりする日でもあります。

 趙紫陽の故居にも例年と同じく一般弔問客が訪れていました。例年と異なるのは、弔問客を捕らえたり追い返したりはせず、天安門事件の遺族関係者もそのまま弔問させたという公安の対応です。もちろん、不測の事態に備えて胡同の入り口にはパトカーを多数待機させてはいましたが。

 さらに、こう着していた遺灰問題についても、次男の二軍が中央弁公庁との間で父親の埋葬について合意に達したと明かしました。

 共産党高級幹部の墓が多数ある八宝山公墓には埋葬せず、趙の遺族で墓を用意することになりました。これまでは手配すると共産党が譲らなかったのでしょう。

 具体的な場所は明かされていませんが、北京市内の民間墓地を探すか、趙とその妻で、こちらも副部級(副大臣)経験者の梁伯琪の故郷である河南省安陽市滑県に埋葬するかのどちらかとなるようです。

 党大会のある今年はおそらく無理で、来年の4月から5月ごろになるのではと見ているようです。習さんが完全勝利すれば、ということなのか。

共産党の趙への対応はゆっくりではあるものの着実に進んでいます。以前にも同じような感想を持った気もしないでもありませんが、いつかは名誉回復するのだろうと期待をしてしまうのです。

==参考消息==
http://hk.apple.nextmedia.com/international/art/20170405/19980490
http://cn.rfi.fr/中国/20170404-当局显对赵紫阳松动-罕见允许大批民众前往赵家祭奠
http://aquarelliste269g.seesaa.net/article/435382162.html
http://aquarelliste269g.seesaa.net/s/article/435382169.html
posted by aquarelliste at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2017年04月03日

演説原稿の読み間違え

 中国語を習いたてのころ、読み方を気をつけるよう言われたのを今でも覚えているのが、与えるという意味の「給予」です。

「給」単独では「gěi」と読むので「gěi yǔ」となりがちですが、実際は「jǐ yǔ」。長年中国人をやっている妻も「gěi yǔ」と読んでいたのて、ネイティブでも犯しがちな読み間違いなのかもしれません。

 中国メディアは、誤読を誘いやすい漢字には読み方をピンインでカッコ書きしてくれます。それでも、誰にでも読み間違いはあるものです。

 最近ですと、安徽省にある「亳」(bó)州市の例があります。

 「亳」は否定文やミリリットルなどの単位を漢字で表記する際に使用する「毫」(háo)と似ているため、ずっとháo州と誤読され続けていました。BBCも普通に毫州と書いてて、それをそのままコピペした私も大恥をかいたことがあります。

2017040301.png
※宣伝効果はあったのか

 中国の紅白ともいうべき春晩に、地元酒造メーカーが「安徽亳(bó)州」とクレジットを出したこともあり、地元の認知不足に対する焦燥感みたいなものが伝わってきます。

 亳州市宣伝部の元幹部は、そもそも地元の知名度が無く、経済発展をして多くの人に正しく読んでもらうしかないと半ば諦めモードなのですが、地元は諦めずにちゃんと読んでもらうためのイベントを開催したり、地道に努力を重ねているようです。

 ただし、誰にでもある間違いとはいえ、完璧超人でなければならない党員幹部になるとメディアの当たりも厳しくなります。

 上海市委機関紙の解放日報が、「最近、ある党員が『飲鴆止渴』(喉の渇きを癒すため、毒をあおること。)を『飲鳩止渴』と読み間違えた」と批判。読み間違えをよくやるという阮成発・雲南省省長のことで、解放日報は「ネットが普及した昨今、この手の間違いはすぐ広まる」とお怒りです。

 阮は昨年12月にも滬昆高速鉄道の開通式で、滇(diān)越鉄路を鎮(zhèn)越鉄路と読み間違え、また2月にも撫仙(xiān)湖を撫優(yōu)湖と読み間違えています。任地である雲南省について全く勉強していない阮の解任を求める書簡が、20名以上の退職党員の連名で中央組織部に出されたとのこと。

 阮は武漢生まれ。党員となってからもキャリアを湖北省で積み上げてきたとは言え、滇は雲南省の略称、別名ですし、撫仙湖も省内の有名な湖ですから、地元の党員が怒るのも無理はありません。

 演説で使われるような四字熟語は、話し手のインテリジェンスを感じさせるために多用される一方で、ライターが頑張り過ぎた結果誰も意味が分からないような熟語を使って、出展や用法をわざわざ補足説明する記事が出る場合もあり、加減が難しいところです。

 ただし、『飲鴆止渴』は中学校で習うので、この件に関しては阮の個人的な資質に帰する気もします。博士号持ちなのにという声もあるようですね。

 そういえば我らが習大大も、昨年のG20で四字熟語を言い間違えをしてました。当該の記事はもちろん修正され、動画は削除されるといういつもの対応でした。

 演説後、妻の彭麗媛が王滬寧、栗戦書、劉鶴を呼び出して、原稿の責任者である王、劉に「なぜあんなマイナーな熟語を使ったのか」と、栗には「練習の際気付かなかったのか」と詰め寄ったという話が大好きです。習近平の無学より、嫁のがぶり寄りに目がいってしまいます。

==参考消息==
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1433967
http://news.xinhuanet.com/food/2016-08/08/c_129213769.htm
http://newspaper.jfdaily.com/jfrb/html/2017-03/30/content_18235.htm
http://www.soundofhope.org/gb/2017/03/27/n814108.html
http://cn.rfi.fr/中国/20160906-习近平错读“通商宽农”为“通商宽衣”被指没文化
http://www.voachinese.com/a/news-trump-treats-obama-with-sarcasm-20160907/3497408.html
タグ:習近平
posted by aquarelliste at 20:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする