2016年06月19日

【銅鐸湾書店】中央専案組は何を調べているのか

 昨年10月に中国に入国してから行方が分からなくなっていた銅鐸湾書店の林栄基・店長が16日、これまで自身の身に起きた件について記者会見を開きました。

 日本語ではBBCの英語版を翻訳した日本語版が、会見の内容や背景についてうまいことまとまっています。

 会見の中で、林は「この事件は私個人のことではない」と発言しています。言うまでもないことですが、李波が散々強調してきた「私個人のことである」を意識したものです。

 林は会見前に李とも面談し、「自分の意思に反して連れ去られた」との発言を引き出しています。この会見後、李はフェイスブックで上述の発言や、林が会見で明かした内容を全否定。外交部も「李が否定している」として、質問をかわしています。

 林は自身を連行したのが国家安全部、公安部、解放軍ではなく中央専案組と明言しました。中央と名前に付くくらいですから、共産党中央直属の組織であり、少なくとも正部級以上だろうと推測されます。

 中央専案組は文化大革命の頃、劉少奇、彭真、彭德懷といった大物を取り調べたチームで、当時の組長は周恩来だったと言われています。現在は、紀律検査、公安、検察など複数の部門から選抜された人材で結成されており、依然として超法規的な集団です。

 個別のチームは「劉少奇専案組」「彭真専案組」といった名称になります。最近では、周永康、薄熙来や令計画といった反腐敗の親玉、「習近平降ろし」を報じた新疆のメディア・無界新聞についてもチームが結成されているようです。

  上海市紀律検査委員会から抜擢された有能な職員が、中央専案組に協力して重大な案件の調査に関わっていることを、中紀委自身が公表しています。中央専案組は今もって存在しており、存在自体も秘密ではありません。

 環球時報は社説で「全世界の『強力な部門』は、調査対象者に法律を回避して協力させる方法を持っている」と書いていました。そういった組織がどこの国にも存在するであろうことは誰も否定しませんし、環球時報も一般的な話として書いたのかもしれませんが、いまになって読み返すと中央専案組の存在を示唆していたとも取れますね。

 では、なぜ中央の名前をかかげる組織が、書店の店長を禁足状態においていたのか。

 扱っていた書籍がゴシップとは言いつつ、意外と真実が書かれていてその情報源を探していたりするんでしょうか。そうなると、習近平はかなり度量の狭いおじさんということになってしまうのですが。

==参考消息==
https://theinitium.com/article/20160616-dailynews-hkbookseller-lam-wing-kee/
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160616_hongkong_bookstore_reactions
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_hongkong_bookseller_revelation
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_china_hongkong_bookshop_hua
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/multimedia/2016/06/160616_vid_hk_bookseller
http://www.bbc.com/zhongwen/trad/china/2016/06/160617_ana_hongkong_causeway_bookstore_special_unit
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/06/160617_ana_hongkong_causeway_bookstore_special_unit
http://news.mingpao.com/ins/instantnews/web_tc/article/20160618/s00001/1466186153577
http://news.mingpao.com/ins/instantnews/web_tc/article/20160617/s00001/1466169449286
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187201883
http://hk.apple.nextmedia.com/news/art/20160617/19657787
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187196018
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160618/s00001/1466187202242
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20160617/s00001/1466100737858
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2016-01/8323385.html
http://news.qq.com/a/20160618/007096.htm
ラベル:銅鐸湾書店
posted by aquarelliste at 16:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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