2016年09月10日

「機内誌は国航を代表しない」

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 中国のフラグシップである中国国際航空(国航)の機内誌・『中国之翼』の最新号に掲載されたコラムで、人種差別丸出しの「助言」をしていたことで、英国の国会議員が駐英大使に抗議書簡を送る事態にまで発展。機内誌の作成に関わった出版社と国航が謝罪に追い込まれています。

 「謝罪」と思って読んでいったらとんでもありませんでしたが。





 米ニュース放送局・CNBCの北京駐在プロデューサー、ヘイズ・ファンさんのツイート。そしてインド人が多く住む地域選出のインド系議員、ヴィレンドラ・シャルマさんでした。

中国国際航空、機内誌でロンドンについて人種差別的「助言」(BBC日本語 2016/9/8)

 機内誌の記事はロンドンの安全案内として「ロンドンは全般的に旅行するには安全な場所だが」と前置きした上で、「主にインド人やパキスタン人や黒人が住む地区に入る際には、注意が必要。観光客には、夜間は独りで外出せず、女性は常に移動中は複数で行動すべきです」と「助言」している。
 CNBCの記事でも指摘しているように、5月には洗剤のCMで差別意識を露呈させたばかりか、何が問題かわかっていない鈍感さを見せつけたばかり。

 この時CMを打った企業の反応も「ネットが騒ぎすぎ」とひどいものでしたが、同誌を出版した中国航空傳媒有限責任公司の「謝罪文」も謝罪になっていませんでした。

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※出版社の謝罪

 中国航空傳媒有限責任公司が刊行する『中国之翼』は、貴社の飛行機に配布されております。9月号において、我が雑誌社と英国旅行局が協力したコラムにおいて、編集作業において誤りがあり、適当でない表現が出てしまいました。

 ロンドンの美しい景色を積極的に宣伝しようとの初志に反し、一部メディアや読者の誤解を招いてしまいました。貴社の経営やブランドイメージに非常に大きな影響を与えてしまい、ここに深く謝意を表します。
 
 『中国之翼』は航空旅行雑誌として、これまで世界の風景、人情を多くの読者に紹介してきましたし、読者と共に世界の美を見つけることに没頭してまいりました。今回のコラムのける不適切な表現は、純粋に編集業務の誤りであり、本雑誌社の意見とは異なります。

 我々は、今月号すべてを直ちに回収し、真剣に教訓をくみ取り、管理強化を行い、同様の問題が二度と出ないよう確実に保証してまいります。我々も、御社を通じて今回の件で不愉快な思いをされた旅行者と多くの読者に真摯なる謝罪をいたします。
 雑誌社が謝る相手は国航なんですね。ビビりました。次に国航です。

 中国国際航空公司(国航)は、旅行客の購読需要を満足させるため、目下航空機に100紙近い境内外の他言語の新聞、雑誌を備えている。『中国之翼』はその内の1紙だ。これらの雑誌は機内でゆっくり過ごすために備えているだけであり、各新聞、雑誌に掲載された文章はすべて国航の意見を代表しない。

 『中国之翼』9月号の「ロンドン 礼帽の下の風格と頑健」において、安全案内の部分で不適当な表現があった。この問題が発覚後、国航は直ちにすべての航空機から当該誌を撤去し、『中国之翼』の雑誌社に真剣に教訓をくみ取り、内容の審査を強化し、同様の問題が再度発生しないよう要求している。

 世界6大陸に航路を持つ航空会社として、国航は常に世界各民族の文化、風俗を尊重してきた。同時に、世界各地で現地に住む各民族を大量に雇用し、彼らとはずっと仲良くやっている。世界各民族人民の友好に共に尽力し、対等に交流し、空中に橋をかけ、これまでと変わらず全世界の旅行客のため優れた航空サービスを提供する。
 『中国之翼』の公式サイトには「中国国際航空唯一の機内誌であり(中略)傘下の航空機に備えられています」と説明されています。表側の表紙には国航のロゴもあることですし、機内に置いているだけと関係を否定しても意味がないことはわかっているはずなんですが。

 両者以上に鈍感なのが。環球時報やフェニックスといったメディアです。環球は「悪意はない」とかばえば、フェニックスは「外国人が中国は謝る必要ないって言ってくれてるよ」ですからね。

 悪意がなく無意識にやっている方がタチ悪いですし、「中国に味方をしてくれる外国人」は中国が劣勢に立たされている時に中国がよく使う手法です。

 フェニックスなんぞはどこぞのまとめブログよろしく、微博から拾ってきた各人種が人口に占める割合と、人種別の服役者数など貼り付けています。

 ネットの声は一部だけを拾えば思い通りの筋書きが作れるので、彼らが何を言っているかは気にしないようにしています。ただし、それをまとめて自社のサイトでやるなら、自社の意見とみなされても文句は言えません。記事には責任編集とあるので、「フェニックスの意見ではありません」と後から逃げを打つことはできません。

 同じことを中国人もやられているはずなんですが、他人の痛みには鈍感な人たちですからね。

==参考消息==
http://www.cnbc.com/2016/09/07/air-chinas-safety-tips-for-london-visitors-may-raise-eyebrows.html
http://news.carnoc.com/list/366/366401.html
http://www.wingsofchina.org
http://news.ifeng.com/a/20160909/49944434_0.shtml
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/09/160908_air_china_reax
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2016-09/9420205.html
posted by aquarelliste at 13:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
中国の人は、付き合い方を間違えなければ、ものすごくよくしてくれますね。
中国人一般が、「他人の痛みに鈍感な人たちだ」と思うならば、それは、おたくが、「正しいやりかたを知らないから」ではないんでしょうか。
まっ、中国に行ったことがあるとか、住んだことがあっても、「正しいやりかた」がわからないような人は、私が教えたからといって、できるようにはなりませんから、別に教える必要もないと思いますが。
ちなみに、私は、日本を出たことは一度もないし、リアルでは、中国人の知り合いはいません。
が、環球時報の英語版では、こちらからは何も頼んでいなくても、非常によくしてもらっています。
あそこは、最も居心地がいいですね。
Posted by Michiko at 2016年09月21日 18:50
>>Michikoさま
このエントリーを読んでその感想に行き着くのであれば、あなたは何も読んでいないのと同じですので、お引き取りください。
Posted by aquarelliste at 2016年09月21日 21:21
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