2016年09月26日

十九大人事予想・前提

 来年の11月に開催予定の第19回党大会(十九大)では、共産党トップの政治局常務委員の過半数が入れ替わるのが確実です。

 すでに一部地方自治体や中央省庁で、トップの入れ替えが始まっていますが、いずれも習近平に近い人たちが持ち上がり、人事面だけで言えば習近平優勢で進んでいます。

 5年前には、翌年に控えた十八大の常務委員予想をして思い切り外したわけですが、今回は政治局委員にまで手を伸ばしてみなさんからまた失笑されようと思います。

 まず、前回と同様に前提となる条件を決めておきます。

 (1)定年は70歳になる

 閣僚級ポストを兼任する中国共産党のトップ200たる中央委員は、党大会を68歳以上で迎えると中央委員から解任されます。具体的に説明すると、党大会、今回なら第19回党大会で次期中央委員が選出されます。

 ここに名前が無ければ、ヒラの党員は政治局委員にも政治局常務委員にもなれないので引退となる、というのが「七上八下」と呼ばれる定年制度です。

 誰がいなくなり、誰が残留したかはこの時点でわかります。直後に開催される一中全会で常務委員、政治局委員も判明するんですけど、前回張高麗が常務委員昇格、汪洋が政治局で足踏みしたのは驚きでした。

 十六大から68歳に引き下げられた定年のラインは、李瑞環を引退させるために作られたもので、後生大事に守るようなものではありませんでしたが、変える必要もなかったからなのかそのまま5年後の十七大で曽慶紅に適用され引退を余儀なくされています。李に引導を渡した曽が同じ手で引退させられるのは、なかなか皮肉が効いているように思います。

 王岐山のような殿上人を念頭に置いたものではないでしょうが、ここ1年ほど公務員の定年延長が盛んに議論されるようになりました。また党員幹部に対しては「業務上必要であれば、上級の同意を得た上で引退を延期できる」とする規定が出ています。

 王自身は現在展開している反腐敗を任期中、つまり来年いっぱいまでに終えるとの意向を示していますが、王岐山が降りた後、彼と同じく信頼に足りうる人物が存在するのか。

 栗戦書が昨年あたりから王岐山の領域にかかる分野についての言動を何度も行っています。王が降りるなら次は現首脳部で王の次に付き合いの長い栗でしょう。ただし、それでは習の長期政権にはなんの役にも立ちません。

 王は七上八下に引っかかる5人の中で一番若く、定年を従来の70歳に戻せば、他の4人は引退させつつ王を残すことができますし、2022年の二十大で習近平もまだ69歳ですから、引退を回避できるようになります。

 常務委員の定年を延長すると後々弊害が出てくる可能性は考えられますが、王のみ定年を延長する可能性はこれまでの慣例から無いと思います。

 中央委員(正部級)クラスの職務であれば、中央委員を退任した周小川、王家瑞が政協副主席となることで回避した前例がありますが、常務委員(正国級)クラスの役職とされている中央紀律検査委員会書記を、ヒラ党員が務めることは考えにくいためです。

 ヒラ党員が本来常務委員兼任であるポストを務めた例は、鄧小平と江沢民の中央軍事委主席残留の二例のみ。王岐山にこの例外が適用されるでしょうか。

 (2)総書記の後継者については保留

 天安門事件という非常事態下で、中央委員会の同意を得ずに総書記に選出された江沢民は別ですが、胡錦濤、習近平ともに、遅くとも総書記就任の一期前には常務委員に昇格し、総書記就任までの準備をしています。

 習近平が次の総書記を用意するのであれば、そろそろその名前が出てきてもおかしくない時期に来ています。しかし、今の所その候補らしき人物は見当たりません。以前からの評判通りなら胡春華なんですが、中央メディアの扱いは良くあないですし。

 国家主席や国務院総理など政府のポストは三選禁止ですが、党のポストについては規定がありません。常務委員の定年延長さえ叶えば、習近平の長期政権はありえない話ではありません。だからいま急いで後継者を用意する必要もない、というわけで名前が出てこないのではないでしょうか。

 一方で、今年上半期に見られた習近平下ろし運動が広まっていれば、そう悠長なことも言って入られませんけど。と云うことで、ここは条件を決めると大きく出たのに保留にさせてください。

 なお、定年を70歳にしてもしなくても李克強は二十大の時点でも67歳なので生き残り、総理を三期務めるのは無理なので李鵬ルートの全国人大委員長に収まっていると考えられます。

 (3)常務委員は7人

 常務委員制度自体無くなってしまうみたいな話も出ていますが、そうなると予想もへったくれも無いので。

 今回は前提条件だけで終わってしまいましたが、次はちゃんと予想も出します。


==参考消息==
前回の模様
次期常務委員を予想してみる1(2011/8/11)
次期常務委員を予想してみる2(2011/8/23)
http://news.xinhuanet.com/politics/2015-07/28/c_1116069618.htm
ラベル:十九大
posted by aquarelliste at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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