2016年10月30日

党の核心になっても何も変わらない

 六中全会、中国共産党第18期中央委員会第6回全体会議が終了したので、公報と翌日に開催された記者会見に目を通して見ました。

 六中全会は『新しい形成下における党内政治生活に関する若干の準則』と、『中国共产党党内監督条例』。反腐敗関連の党内法規の改定が主な議題だったのですが、核心騒動でその辺りがすっ飛んでしまいました。2つの党内法規についてはそのうち内容が明らかになるでしょうから、核心の件を。

 同会議では「習近平同志を核心とする党中央」とすることが正式に決定。毛沢東、鄧小平、江沢民のみの呼称だった核心に、総書記就任4年足らずでなってしまうのですから、相当強い総書記であることは間違いありません。

 習の核心昇格は急に出てきた話ではなく、今年1月末の政治局会議で提起された「四つの意識」で核心意識がうたわれており、これが総書記たる習近平を指すことは明白だったのと、これに先立って地方トップが「習総書記という核心を断固擁護せよ」と相次いで発言している、という前振りがありました。

 また、六中全会開催直前の20日に、李鴻忠・天津市委書記が市の会議で「大党には指導的な核心が必要だ。(中略)党中央の指導的核心は習近平総書記である」とフライングしてましたので、核心呼称は規定路線だったという気もします。

 記者会見でも、習近平お気に入りの黄坤明・宣伝部常務副部長に「地方や軍が習近平を党中央の核心となることを希望」「中央委員会の同志が一致して『核心』の提起に賛成」「全党、全軍、全国各民族人民の共通の願い」「内政、外交、国防、党統治、軍統治などで歴史的意義ある成果を成し遂げた」と、核心扱いして当然なんだみたいな勢いで、その意義を説明させていました。周囲に推挙されて皇帝へ、みたいな奥ゆかしさが出ています。

 一方で、公報には「いかなる党組織、個人も党内民主を抑圧、破壊してはならない。中央委員会、政治局、常務委員会と党の各級委員会が重大な政策決定を行う場合、深く調査研究を展開し、各方面の意見や提案を聴取せねばならない」と明記されています。

 「省委すなわち省委書記」みたいな意識の人間を反腐敗で片っ端から叩き斬ってきた手前、個人への権力集中に反対するのは当然であり、習近平はこの記述に異論は唱えられません。大虎の主な生息地である省部クラスだけではなく、政治局、常務委員会もその範囲となっていることから、習近平自身の足かせにもなるのです。

 核心に昇格したとはいえ新たな権力を与えられたわけでもなく、単に政治的な称号に過ぎないのであれば、これまでとなんら変わらないことになります。習近平もそこまでバカではないと思いますが。

==参考消息==
http://www.tj.xinhuanet.com/lhzjianghua/20161021/3496915_c.html
http://politics.people.com.cn/n1/2016/1027/c1001-28814104.html
http://www.xinhuanet.com/politics/lzqh20161028/index.htm
http://cpc.people.com.cn/n1/2016/1028/c164113-28816761.html
http://www.xinhuanet.com/politics/lzqh20161028/
posted by aquarelliste at 16:58| Comment(4) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
流石は管理人様、日本のマスコミ、NHKのラジオですが
何か天変地異が行ったような、解説頭が痛いです。
Posted by 政界ウォッチャー三十年 at 2016年11月02日 23:27
>>政界ウォッチャー30年さま
しかし、六中全会で採択された条例は、これまであった党内民主や集団指導などの文言が消えており、公報と矛盾してたりします。
Posted by aquarelliste at 2016年11月08日 10:50
王安順が左遷されてしまいましたね.
Posted by Aya at 2016年11月15日 13:42
>>Ayaさま
最後の石油系ですが、逃げ切ったのでしょうか。スポーツの国際大会組織委はこぞって失脚するジンクスもあるので、劉淇と共に期待しているんですが。
Posted by aquarellsite at 2016年12月11日 19:52
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