2019年05月30日

先に警告したぞ

 5月20日、習近平さんは江西省のレアアース生産工場を視察した。当日、外交部では視察についてこんなやりとりがあった。

問「本日、中国の指導者が江西省のレアアース産業の発展状況を視察した。中米経済貿易摩擦の背景下で、中国側の指導者がレアアース産業を視察を行うことで、対外的にどういう信号を発するのか。中国はレアアースの輸出制限で、米国への報復を考えているのか」

答「中国の指導者が、国内を視察し、関連産業を視察することはまさしく正常である。過度の想像はやめてもらいたい」
  午後から始まる定例記者会見で、当日の出来事について質問されることはあまりない。それだけ答えておきたかった問題なのかもしれない。

 過去には関係が冷え込んだ日本へのレアアース禁輸を行なったこともあり、貿易交渉で劣勢を強いられているアメリカ牽制のための取引材料なのではと、海外のメディアが考えるのも無理はない。

 外交部は過度の妄想を諌めたものの、28日には国家発展改革委がレアアースは国内需要を優先すると表明し、米国向けの輸出規制をほのめかしたのだ。

 翌29日の外交部記者会見は、国家発改委の発言を「中国政府の一部門であり、その発言は権威あるものだ」と規制を否定しなかった。9日間で随分スタンスが変わるものだ。

 同日、人民日報が論説記事を発表した。中国がレアアースを最も多く輸出するのは米国であり、多くの産業が中国のレアアースに依存していると説明し、「中国が発展する権利を守る力を、米国は甘く見ないほうがいい。先に警告しておく」と激語を飛ばした。

 「先に警告しておく」の原文は『勿謂言之不預』。人民日報がこれを使ったのは3回で、1962年の中印国境紛争直前、1967年のダマンスキー島事件直前、1978年の中越戦争直前の3回。今回で4回目となる。

 3回とも紙面の見出しは『是可忍,孰不可忍』(絶対に容認できない)。今回は「貿易戦争に勝者はいない」とこれまでの主張も繰り返し、話し合いを呼びかけているので、そこまで行ってないとの見方もできるが、中国建国後の数少ない戦争、あるいは紛争の前に使われているという物騒なフレーズだ。

==参考消息==
http://www.xinhuanet.com/politics/xxjxs/2019-05/21/c_1124523643.htm
https://www.fmprc.gov.cn/web/fyrbt_673021/jzhsl_673025/t1664956.shtml
http://www.xinhuanet.com/fortune/2019-05/28/c_1124553988.htm
http://www.xinhuanet.com/politics/2019-05/29/c_1124554207.htm
http://jingji.cctv.com/2019/05/30/ARTILGkeuI0ZkaosNLibYQlx190530.shtml
http://paper.people.com.cn/rmrb/html/2019-05/29/nw.D110000renmrb_20190529_4-03.htm
https://3g.china.com/act/history/13001135/20190529/36289997.html
https://www.fmprc.gov.cn/web/fyrbt_673021/t1667603.shtml


posted by aquarelliste at 23:23| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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