このタイミングでの交代は、肺炎問題の詰め腹以外の何者でもない。省委書記の異動を伝える役目は、通常中央組織部副部長が担う。今回は呉玉良だったが、今回の人事について「伝染病の蔓延を防ぐため、また湖北省指導部建設の実情を鑑みた」と明かしている。肺炎対策シフトであり、今のメンツでは無理と判断されたことがわかる。
前任者の蒋超良が出席していないのが円満退職でないことを表している。円満退職であれば、前任者、後任、省長(自治区なら主席、直轄市なら市長)がそれぞれ談話を発表する。前任者は後任を、後任は前任者を褒めちぎるのだが、今回は蒋超良が欠席しており、彼の業績はスルーされた。
後任となった應勇は今年63歳。習近平とは浙江時代から近く、いわゆる之江新軍の1人だが、第19期は中央委員どまり。何もなければ2年後の党大会で65歳となり、上海市市長を下されて引退コースだったので、これは政治生命が伸びたと言わざるを得ない。
習近平の子飼いはボンクラしかおらず、しかも意外と高齢だ。今季政治局委員に引き上げた半分は、年齢の面から引退が濃厚なので、次の政治局委員を作るために実績をつけてやろうとしているのだ。
新型コロナウイルスの発生から感染拡大において、湖北省で状況の隠蔽や不作為などがあったかについてはここでは議論しないが、誰がやっても対応が難しい初期段階より、党が全力でバックアップしてくれる事後処理の方が楽なのは目に見えている。
トップが交代した13日には湖北省全体の新規確定診断数が15000件くらい増えた。感染が一気に拡大したのではなく、疑い止まりだった患者を確定診断とカウントする方針に変更したためだ。応勇の湖北入りに合わせてあげたのではないか。
SARSで詰め腹を切らされた張文康・衛生部部長はそのまま一線を退き、孟学農・北京市市長は閑職を経て山西省省長に返り咲くも、今度は炭鉱で採掘された捨て石の山が大雨で崩壊し、下流の村を襲い、公式発表で277人が死亡した事故の責任を取らされて、流石に浮かび上がってこなかった。一時は政治局委員候補とも目されていたのだが。
それに比べれば、孟学農の後任となった王岐山は、ご存知の通りの出世街道。実は習近平の旧友だったという隠し設定があったので単純に比較はできないが、「肺炎問題を片付けた有能な政治家」の肩書なら政治局くらいまでは行けそうな気がする。
==参考消息==
http://news.cnhubei.com/content/2020-02/13/content_12730095.html
http://news.cnhubei.com/content/2020-02/13/content_12730161.html
http://www.xinhuanet.com/politics/2020-02/13/c_1125568253.htm
https://tech.sina.com.cn/roll/2020-02-13/doc-iimxxstf0996020.shtml
http://wjw.hubei.gov.cn/fbjd/dtyw/202002/t20200213_2025581.shtml
身びいきが過ぎる 2020年01月08日
