2020年01月30日

武漢人への差別待遇

 28日、湖北省が開催した記者会見で、武漢市委書記の馬国強にこんな質問が投げかけられた。

 「ネット上では、武漢人が差別や、拒絶などをされている。また、湖北人を見つけたらすぐに通報せよとの張り紙もあるとのことだが」

 馬の説明はこうだ。「全国の人たちが通報するとは信じられない。一部か、ごく一部の話だろう。ほとんどは親切に接してくれている」。

 中央テレビも、「湖北人は悪人ではない」「この状況では彼らも我々と同じ被害者だ」「そして彼らの犠牲は我々より大きい」と呼びかけた。湖北人、武漢人への差別が存在していることを認めている。

 確かに、武漢人への当たりが強くなっている報道が散見されるようになった。

 先週あたりから、「ここ半年武漢には行ってない」「引っ越してから替える暇が無かっただけ」などと書かれた紙を、車両後方に貼っている鄂Aナンバー(鄂は湖北省の略称。Aは省都のことなので、鄂Aは武漢市)車の写真が出回っている。

 自家用車で旧正月旅行にでていた武漢人の宿泊を拒否するホテルや、鄂Aナンバー車に給油させないガソリンスタンドが確認されている。実効性があるのか定かではないが、上記のような差別待遇を回避するためだろう。

 愛知県にある中部国際空港では、上海行きの便に上海人と武漢人が乗り合わせ、上海人がどちらを下すか選べと航空会社に迫る一幕もあった。

 武漢人が降りないので上海人は登場を拒否する一方、上海に到着した武漢人を隔離するよう上海市政府などに通報。通報というか電凸レベルだと思う。

 彼らの掛け合いが効いたのかは不明だが、到着した武漢人は間も無く隔離されている。

 また、江蘇省の妹宅に居候中の武漢人家族が、当局の隔離要請を数回断り、最後には強制的に連行されたと報じられている。

 27日から、河北省石家庄市井陘鉱区では、武漢市と往来のある人間や、彼らと密接な接触をした人間の情報を通報すれば2000元の奨励金を出すようになった。同市ではほかに鹿泉区でも1000元、習近平のキャリアの始まりとなった正定県でも1000元出すとのこと。

 今や武漢人はハンティングの対象となってしまっている。当局が武漢人を敵視するよう仕向ける政策をとるのは悪手だろう。

==参考消息==
https://finance.sina.com.cn/china/2020-01-28/doc-iihnzahk6807634.shtml
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5657664
http://www.xinhuanet.com/politics/2020-01/26/c_1125503661.htm
https://www.hk01.com/%E7%86%B1%E7%88%86%E8%A9%B1%E9%A1%8C/427240/%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E8%82%BA%E7%82%8E-%E6%AD%A6%E6%BC%A2%E8%BB%8A%E7%89%8C-%E9%84%82a-%E8%BB%8A%E4%B8%BB%E8%B2%BC%E7%B4%99%E4%BB%94%E8%87%AA%E4%BF%9D-%E6%B2%92%E5%8E%BB%E6%B9%96%E5%8C%97%E5%8B%BF%E6%81%90%E6%85%8C
http://www.sohu.com/a/369243518_260616
https://news.sina.com.cn/c/2020-01-29/doc-iihnzahk6848807.shtml
http://www.sohu.com/a/369208033_148087
https://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_5651752
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2020年01月27日

肺炎対策やる気あるんか

 旧正月初日の1月25日、中央政治局常務委員会が会議を開催した。肺炎問題がテーマで、中央応対新型冠状病毒感染肺炎疫情工作領導小組の設置が発表された。仰々しい名称だが、肺炎問題に特化した小組であることはわかった。

 常務委員会会議は開催自体は報道されるものの、ブルーバックに会議での決定内容が出され、それをひたすらキャスターが読み上げるというスタイルだが、今回は異例の映像ありだ。緊急感()が醸し出されている。

 中央の円卓は、政治局会議で25人の政治局委員(7人の常務委員を含む)全員が座れる大きさなのだが、14人しかいなかったのでスカスカだった。

2020012701.png
※あまりスカスカに見えない

 地方自治体のトップがいないのは、地元の対応があるから仕方ないとして、北京にいるはずの胡春華のような、地方行政で経験を積んできた副総理が不在なのが気になった。

 翌26日、小組の会議が報じられている。組長の李克強、副組長は王滬寧という謎の組み合わせだ。

 王滬寧は大学教授から政策立案に携わるようになり、政界に入った。前期唯一の行政経験を持たない政治局委員、そして今期唯一の常務委員だ。彼の担当は宣伝なので、防疫対策に関しては全く役に立たない。

 中央入りするには地方の経験が大事とうたっているにも関わらず、理論一辺倒の人間を常務委員にまで引き上げたのは前例がない。

 習近平を称える時には地方で地道にキャリアを積んでいった点が挙げられるが、王滬寧については全く別の基準があるのかキャリアについてはスルーされている。

 温家宝も行政官としての経験はないまま総理にまで行ってしまった珍しいタイプだが、副大臣から中央弁公庁主任を経て、副総理とそれなりの経験を積んでいるので、比較にはならない。

 李克強をサポートするなら、地方行政の経験がある韓正や胡春華といった国務院副総理を副組長に据えるべきだった。韓正は上海市長時代にSARSを経験している。

 孫春蘭は衛生担当の副総理で先に武漢入りしていたし、肖捷は国務院秘書長なのでメンバー入りは当然として、他のメンバーである丁薛祥、黄坤明、蔡奇、王毅、趙克志といった面々は参加している意味がよくわからない。

 丁薛祥は習とのパイプ役だろうか。趙克志も地方の行政経験が豊富だが(有能とは言っていない)現在は公安部長の立場なので、行政経験を買われての参加ではない。黄坤明も行政経験はあるが、現在宣伝部長である黄の役割は宣伝方面しかない。

 蔡奇は現在北京市委書記で、ずっと地方の行政でキャリアを積んできてはいるが、書記就任後の蔡は無能を辞書で引いたら例とされているような失政連発の男なので、それまでも推して知るべしだ。北京でヒマそうだからではないのか。

 数多くの中央○○小組で組長を歴任している習は、なぜ今回は組長を務めることはせず、この布陣でゴーサインを出したのか。

 軍や武装警察を動かそうとしても、メンバーの中に権限を持つ人間は李克強を含めていない。かつて四川の地震で温家宝がキレていたように、軍人は軍に籍を置かない人間の指示は、例え総理でも聞いてくれないのだ。

 中央軍事委員会に武装警察の指揮権を集めたのは、こういう非常時にこそ威力を発揮するためだったはず。彼らを動かさなければいけない時が必ず来るだろうに、どうも温家宝の教訓が生かされていない。総理は中軍委副主席を兼任してもいいと思うのだが、それが出来ないならなおさら一強の習が組長をやるべきだった。

 今日27日、李克強は「習近平総書記の委託を受けて」武漢入りし、状況把握と指示に務めている。「習近平総書記の委託を受けて」とわざわざ書かせるあたり、小物臭がする。どうせなら組長となって自ら武漢入りすればよかったのにと強く思う。

==参考消息==
http://tv.cctv.com/2020/01/25/VIDEbW4uFQHrZo2OKgC3Qtgq200125.shtml
http://tv.cctv.com/2020/01/26/VIDEP3SRUuyQBLL3OBYEHwCT200126.shtml
http://www.gov.cn/premier/2020-01/27/content_5472414.htm
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2020年01月12日

江蘇省は貧困層撲滅まで後一歩

 中国の貧困層は2012年の時点で9899万人くらいたのが、2018年までに1660万人まで減少した。2019年はさっき終わったばかりなので統計はまだ出ていないが、さらに減っているのだろう。

 中国は世界銀行が定めた1.9米ドル/日を大きく下回る、年収2300元未満を貧困層であるとの独自の規定を設けている。1.9*365=935.5ドルなので、2020年1月12日現在のレートで、約6473元(10万2000円程度)となる。

 この差異をつつくと国情がどうたらという話になるのは昔からだから、あえて批判はしない。年収自体はどんどん伸びていっているはずなので、基準が動かないのなら自然に減っていく気もするが、そこも今回はスルーしよう。

 その甘めの数字自体も中国の最新基準が2011年に定められた数字なので、経済成長著しい()今の中国さまには甘々の大甘基準だと思うのだが、それでも1660万人いるとか。彼らは一体どういう暮らしをしているのだろうかと気になる。1日6元とかでどうやって生きていくんだろう。

 この勢いでだと2021年くらいに貧困層は撲滅されそうな勢いだが、江蘇省が全国に先んじて脱貧困を実現しそうだ。

 1月7日、江蘇省政府は人民代表常務委員会議第13回会議で、省が独自に設定した年収6000元以下の人口が17人まで減少したことを報告した。

 残った17人に6000元を配布すれば江蘇省から貧困層はいなくなり、めでたく脱貧困となったのだが、脱貧困の責任者は「輸血」は、今年は乗り切れても来年また貧困層に戻るので、意味がないと反論する。脱貧困を目の前にし、余裕を感じる。

 それはそうなのだが、江蘇省がどのように脱貧困の一歩手前までたどり着いたか、この責任者は説明してくれない。江蘇省の経験()を全国が共有すれば、脱貧困の前倒しも可能ではないのか。

 などと中国のお気持ちに沿って頑張ってみたが、こんなのを信じる庶民はいないだろう。

 習近平は昨年「功を焦ってはならない。虚偽の政績(政治における成績)を出してはならない」とクギを指したが、今回の報告を見る限り誰も聞いていない。今年あたりに一気に貧困層のラインが上がってふりだしに戻ったりするオチなのだろうか。

==参考消息==
https://www.worldbank.org/ja/news/feature/2014/01/08/open-data-poverty
http://www.sohu.com/a/365469363_255783
http://www.bjnews.com.cn/news/2020/01/08/671450.html
http://www.xinhuanet.com/comments/2020-01/09/c_1125437844.htm
http://zqb.cyol.com/html/2019-03/08/nw.D110000zgqnb_20190308_1-01.htm
posted by aquarelliste at 22:19| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
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