2017年01月22日

天津の田舎でせっせと作られるニセ調味料

 雀巢(ネスレ)、太太楽、李錦記、家楽(クノール)などの有名メーカーを騙り、料理に使われる醤油、酢、化学調味料などを10年以上も作る続けていた天津市の片田舎にある村に査察が入りました。

 企業名ではピンとこなくても、ググってみれば鶏精(太太楽)など、中国で暮らしていれば目にしたこともあるような、有名なメーカーばかりであります。

 北京、上海を始め全国各地に販売網を持っていたようで、北京市の小売店では4、5年前から売られていることが確認されています。各地の食品衛生部門も血眼感を出して調査に乗り出しているようです。


※三大お酢の産地らしいです

 天津市の南西に位置する独流鎮。元々有名なお酢の生産地だったのですが、2002年ごろにまずはお酢の、次第にニセ調味料全体の生産に手を染めていくようになりました。

 先日天津市委書記に就任した李鴻忠に送られた書簡の中で、地元の人間だという書き手は書記の顔に泥を塗って申し訳ないとしつつも、「30年発展していないのは事実で、我が鎮は忘れられている」と窮状を訴えています。だから犯罪に手を染めていいわけではないんですが、「発展の恩恵をくれないと同じようなことが起きるぞ」とは切実です。

 同鎮には40から50の拠点が集中し、売り上げは今や年間1億元(約16億円)、1日当たり50万元程度を生産する一大生産拠点へと成長を遂げていました。老板はポルシェやアウディでごくたまに現れるそうで、相当儲かっちゃってる様子が伺えます。

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※手広く作っている

 ニセ調味料作りには10年以上手を染めており、工員は地元の親戚か友人で、外部の人間は一切雇わず。また、工場となっている平屋の民家には監視カメラが備え付けられ、日によって生産する場所を変え、輸送時にはダンボールを二重にして、外側は無地にするなど徹底した用心深さでした。

 メーカーが独自にニセモノを調査する覆面には、500元から1000元を口封じに渡して乗り切っています。これは一斉入れ替え待ったなし。

 工業用塩、保存料として使われるソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウム、甘味料のチクロといった人体に有害な原材料を使用しているのは、その他大勢のニセモノと同じでした。安全なニセモノってないですからね。

 鎮党委、政府は18日、最高5000元の賞金をエサに密告を呼びかけるおふれを出しました。全く知らなかったわけではないと思うんですが、そこはそれ。ところで「踊躍舉報」てどういう状態なんですかね。

 さて、人民日報に天津市はちゃんと対応しろと激を飛ばされていますが、就任したばかりの李鴻忠が忠誠を示す絶好の機会であるとともに、任期中にゴーストタウンを作り、全国規模で被害を出したニセモノ作りを続けさせていた節穴おじさんこと張高麗の責任論不可避ではないかと、残酷な期待をするばかりであります。

==参考消息==
http://chuansong.me/n/1490384351025
http://chuansong.me/n/1490384451026
http://chuansong.me/n/1492311351329
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936876960
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936877802
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936873200
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2017年01月08日

風船射撃の屋台店主が拳銃所持容疑で有罪

 5日、河南省信陽市新県人民法院(県裁判所)の公式サイトに、「ネット競売におけるおもちゃの銃に関する状況報告」と題された記事が発表されました。

 同裁判所が押収したエアガンを、ショッピングサイトの淘宝(タオパオ)で競売にかけていたところ、習近平機関紙の澎湃が「BB弾を撃てるエアガンだろ」と指摘。

 これに対し裁判所は、「価格鑑定は行なったが、エアガンの弾速が規制以下かどうかは調べていない」と回答してネットで叩かれたため、光の速さで鑑定にかけ、規制ラインである1.8ジュール以下であると公表しました。

 規制以下で問題は無いはず。「以前にも競売にかけたが問題なかった」(同裁判所の裁判官)はずなのに、「競売対象への確認を怠り、未鑑定のまま競売にかけてしまいました」と公式が全面謝罪したのはなぜか。

 先日同じような事件があったなと思いを巡らせていたら、らーじゃおのツイートを思い出しました。



 らーじゃおのツイートについて簡単に説明しておくと、2016年8月から10月まで天津市河北区で風船射撃の屋台を出していた51歳の女性が、拳銃管理制度に違反し、違法に拳銃を所持していたとして3年6ヶ月の実刑判決が出たことを受け、父兄の皆さん子供達が「違法犯罪集団」にならないよう、気をつけようねと揶揄したものです。

 女性はちゃんとショバ代を支払っていたので、そっち方面の見せしめはなさそう。屋台で客に使わせるために所有していたエアガンは、前出の規制ラインを上回る弾速が出たため拳銃認定され、刑法第128条に抵触、と一応理屈は通っています。

 新県裁判所が売り飛ばしたエアガンは規制ライン以下だったものの、天津市の一件と、過去にも同じような判決が何度も出ているので、ネットで炎上する前に澎湃が突っ込んできたからなんでしょう。相変わらず中央のメディアには弱い地方自治体です。

 なお、女性は判決を不服として控訴。低すぎるとあちこちのメディアが指摘する規制ラインが二審の争点となる模様ですが、そうなると同様の判決にも波及するため舵取りが難しそうです。

==参考消息==
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1592177
http://hnxxfy.hncourt.gov.cn/public/detail.php?id=1271
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591474
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590619
http://www.chinanews.com/sh/2017/01-04/8113029.shtml
http://epaper.ynet.com/html/2017-01/04/content_234416.htm?div=-1
http://news.dahe.cn/2017/01-05/108114074.html
http://www.rfa.org/mandarin/duomeiti/huandengtuji/biantailajiaomanhua/biantailajiao-01022017100609.html#.WGsHEmE5uvs.twitter
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590084
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590619
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591286
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591396
http://www.chinanews.com/sh/2017/01-07/8116555.shtml
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2017年01月05日

張鉄生が富豪になっていた

 張鉄生と言われてもピンとこない方もいらっしゃるでしょうから、サクッと紹介しておきます。

 1968年に白塔人民公社棗山大隊に下放された張は、1973年3月に労農兵学生として再開された全国普通高等学校招生入学考試(高考)を受験したものの、物理・化学が全く解けなかった(6点)。張は「公社での本業である農業生産に力を注ぐ余り、学業が疎かになった、試験内容が知識に偏重し、試験そのものが労働者大衆に門戸を閉ざしている」と答案用紙の裏に書きしたためた。

 四人組に近い立場で当時遼寧省党委員会書記だった毛沢東の甥・毛遠新は、この文章を周恩来と彼の教育思想を攻撃する砲弾として利用するべく、「深く考えさせられる答案」として遼寧日報、続いて人民日報に掲載させ、張は一躍反潮流の英雄となった。彼は大学に入学できただけでなく、1974年には全国人民代表大会常務委員となった。この後、テストの不出来を彼に倣って開き直る事件が多発した。また、高考は再び中止となり、1977年にようやくケ小平の後押しで再び始まった。

 1976年、後ろ盾であった四人組が逮捕されると、シンパとみなされ政治権利剥奪3年、禁固15年の刑に処せられた。
 Wikipedia丸写しですが、最後の一行以外、書いたのはほとんど私だからいいでしょう。個人的には「物理・化学が全く解けなかった(6点)」の件がそのまま残っていて感慨深いものがあります。

 張鉄生は刑期満了後の1991年に、瀋陽農業大学の講師だった女性と結婚。その後、仕事が見つからず女性の教え子だった金衛東(現・禾豊牧業董事長)が深センで経営していた牧畜用飼料販売の東北地区の経理にしてもらいます。

 1993年には、金ら4人で瀋陽天地飼料廠を立ち上げ。1998年に同じく金衛東傘下の禾豊牧業と合併。この時点で張は同社の株式約10%を手にしました。

 2014年8月に同社が上海証券場上場。現在5.82%、4836万株を所有する張さんの資産は

4836万X13.2人民元/株=約6.38億人民元(約107億円)
 という富農野郎へと、華麗に変身しておりました。

 2008年以降は名誉職に退き、今では「1年に1度見かけるか」(禾豊牧業職員)の身分となった張さん。わざわざ嫁いできた嫁は、張さんの出所後に突然現れたわけではなく張の同級生でしたが、教え子に手を回して仕事をあっせんさせるなど只者ではないような気がします。

==参考消息==
http://mp.weixin.qq.com/s/WNw8gNu0JcKW0OE2fPSSIA
http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306202/201205/t20120517_210254.htm
http://www.csrc.gov.cn/pub/zjhpublic/G00306202/201205/P020120517639812658996.pdf
http://epaper.xkb.com.cn/view/785184
http://finance.sina.com.cn/stock/newstock/zxdt/20120522/090512117234.shtml
タグ:文化大革命
posted by aquarelliste at 15:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする