2019年10月25日

世界軍人運動会で解放軍がインチキ

 各国の軍人たちを集めたミリタリーワールドゲームズが、10月18日から27日の日程で、湖北省武漢市で開催されている。

 中国チームは連日メダルを積み上げて、25日現在で2位のロシアにダブルスコアを付ける、圧倒的な成績を収めている。ところが、20日のオリエンテーリング競技でインチキしたのが発覚し、同競技の全ての成績が無効となる処分を受けていたのだ。

 オリエンテーリングは、地図上に示された複数のポイントとコンパスを使って順に通過し、その走破タイムを競う競技だ。

 自国開催とはいえ、他地区から集められた解放軍兵士が地の利を活かせるかと言えばそうではない。しかし、この手の大会は地元有利と見られるのが常だし、また実際有利だ。

 また、開会式には習近平が出席し、開会を宣言する力の入りようだ。自国開催に加え、御大直々のお出ましとあって、中国チームたる解放軍兵士諸氏が受けるプレッシャーは大きなものがあったのではないか。

 そこで、なのかどうかはわからないのだが、解放軍兵士たちはGPSを使って、想定されているルートとはかけ離れた道なき道を進んで行った。

 競技後、国際オリエンテーリング連盟(IOF)はロシア、スウェーデンなどの参加者からの抗議を受け調査を行い、中国選手はGPSの使用に加え、「観客」のサポートを受け、また事前につけた目印を頼りにしたとの声明を発表している。このため、女子の1位、2位と4位、男子の2位が失格となった。

2019102501.png

 大会公式の成績を見ると、インチキが発生した20日の中距離個人は男女ともに成績一覧に中国選手の名前はなく、21日の長距離個人はDNS(欠場)扱い。23日のリレーと団体はこれまた名前なし。失格になった理由の説明はされていない。また、選手一覧からオリエンテーリングの選手が検索できなくなっている。

 国防部も国内メディアもこの件についてはスルーし、メダルラッシュを報じ続けている。それでも競技自体についての記事がいくつかあったので紹介しておく。

 湖北日報は、負傷しながら競技を続行したと言う王佳の声を取り上げている。「競技場は戦場と同じ。尻込みなどできない。自分のベストを発揮するだけだ。中国軍人の顔に泥は塗れない」。なお、Wang Jiaという選手は、確認できる10人の中には名前がない。誰なんだろうか。

 鳳凰衛視(フェニックスTV)は、「オリエンテーリングが中国では発展途上の競技であることに加え、身体条件で欧米の選手に劣る」と総括。もっともらしい解説で終わっておけばいいのに、「11名の選手は自分を突破した」と書き足して台無しにしている。

==参考消息==
http://www.xinhuanet.com/politics/2019-10/19/c_1125124481.htm
https://www.sinchew.com.my/content/content_2136563.html  
https://www.wuhan2019mwg.cn/ 
http://www.hb.xinhuanet.com/2019-10/25/c_1125150231.htm 
https://www.jaaf.or.jp/athleticclub/2016/no35.pdf
https://news.mingpao.com/ins/兩岸/article/20191025/s00004/1571990672769/解放軍世界軍人運動會主場作弊-遭取消定向越野賽資格
http://www.cnhubei.com/content/2019-10/25/content_12430424.html
https://www.weibo.com/1643971635/Id0uP4yIA?refer_flag=1001030103_&type=comment#_rnd1572003537859
http://www.cnhubei.com/content/2019-10/25/content_12430424.html
https://www.weibo.com/1643971635/Id0uP4yIA?refer_flag=1001030103_&type=comment#_rnd1572003537859
posted by aquarelliste at 21:01| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2019年10月18日

趙紫陽の墓が建立される

 2005年にこの世を去った趙紫陽の遺骨が、14年の時を経てようやく墓に埋葬された。10月17日は生誕100周年。その翌日のことだった。

 前日の17日には、「いい場所を選び、いい墓碑をこしらえ、今年中には埋葬したい」と、次男の趙二軍からアナウンスがあったばかり。

 北京市の中心部から60キロあまり離れた民間の墓地で20年の使用権を購入し、口頭ではあるが中央組織部と北京市殯葬(葬儀)委員会の同意を取り付けていたとも明かしており、具体的に話が進んでいたことがうかがえるが、進んでいたどころが100%完了していたのだ。

 中国は引退時についていたポストの格で引退後の扱いが決まる。アクセスできる情報や支払われる手当、会議やパーティなどの席次などに影響してくる。趙と同じく、1989年の天安門事件が原因で失脚した胡啓立は引退時に全国政協副主席だったので、常務委員経験者ではなく元全国政協副主席として扱われている。

 趙紫陽は死後に閣僚級以上の大物が埋葬される八宝山に、局長級の区域であれば埋葬してもよいと提案され、遺族はこれを蹴っている。総書記経験者なのだから、遺族としては当然だろう。引退時のクラスに左右されるなんて中国共産党の論理は、遺族は知ったことではないからだ。

 反対に、遺族が適当な墓地を探して埋葬する話もあった。一旦は中国共産党に断られたが、趙の妻で中央組織部副部長などを歴任した梁伯琪が2013年に亡くなった2年後、ようやく埋葬自体は認められた。しかし、利根川のごとく時期については明言してこなかった。

 仲良しの夫婦のどちらかに先立たれ、残された側が家に置きたがったなど特殊な事情を除いて、火葬したらすぐに遺灰や遺骨はお墓入りの中国で、家に遺骨を置くというのはありえない。

 しかし、火葬場を持つ八宝山で荼毘に付されたものの、趙の埋葬は引き伸ばしに引き伸ばされて14年。亡くなるまで軟禁されていた富強胡同6号の故居に安置されていたのだった。

2019101801.png

 とにもかくにも、趙紫陽の待遇については一歩前進した。一足飛びに名誉回復など無謀なことは期待していないので、せめて中央人民政府公式サイトで「歴代国務院総理」を紹介するページに、写真くらいは乗っけて欲しいものだ。

==参考消息==
https://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-50081946
https://news.mingpao.com/pns/中國/article/20191017/s00013/1571249436445/趙紫陽今百歲冥壽-家人擇墓地終獲准-趙二軍盼年底葬父-富強胡同6號將交中央
http://www.gov.cn/guoqing/2018-03/18/content_5275354.htm
http://politics.people.com.cn/GB/1026/3153749.html
posted by aquarelliste at 22:56| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2019年10月17日

なかなか開かれない四中全会

 8月30日の政治局会議で、10月に開催されると発表された四中全会(中国共産党第19期中央委員会第4回全体会議)。10月と日程を決めないまま、開催だけを発表したのは記憶にない。

 昨年2月に開催された三中全会は、開催直前ではあるが日程が発表されたし、二中全会も・・・と書きかけたところで調べてみると、二中全会は2017年12月27日の政治局会議で、翌年(2018年)1月に開催とだけアナウンスされていたのがわかってしまった。

 二中全会の議題は中央紀律検査委員会(中紀委)の業務報告と反腐敗工作だった。中紀委の日程は前出の政治局会議で1月11日から13日と決まっていたし、直後に旧正月も控えていたので、二中全会の開催時期はある程度予測は立てることが出来たのだが。

 第18期の四中全会も五中全会も六中全会も、7月末の政治局会議で開催自体は決まっていたが、開催の具体的な日付は出されず、10月とだけしかアナウンスが無かった。

 2ヶ月後の中央委員200人あまり。候補委員や中紀委関係者ほかを加えると、400人を超える大所帯となる。政治局委員以上の予定を調整するのには、それくらいの日数は必要なのだろう、多分。

 会期が事前に発表されないのは、特に珍しいことではなかった。記憶にないのは私が気にしてなかっただけでした。

 第19期の一中全会、二中全会、三中全会が2017年10月の党大会から半年以内に立て続けに開催されたのに、それから1年以上開かれていないのは異常事態と見る人がいるのかもしれない。

 例年であれば党大会の翌年の9月から12月に開催されていた三中全会が2月に開催されたのが異例なのであって、四中全会は党大会2年後の10月に開催されているから、中国共産党としては例年通りと言い張ることができる。

 中国共産党章程(規約)によれば、中央委員会は、「1年に最低1回開く」と定められている。今年中に開催すれば、中国共産党としてはこれまたセーフなのだ。

 10月中に開催されるのであれば、予定の調整は水面下で進められているだろうが、10月中には開催されず延期となれば話は別で、さすがに言い訳ができない。

==参考消息==
http://www.xinhuanet.com/politics/leaders/2017-12/27/c_1122174049.htm
http://www.xinhuanet.com/2018-02/24/c_1122448198.htm
http://www.xinhuanet.com/politics/leaders/2019-08/30/c_1124943080.htm
http://cpc.people.com.cn/n/2014/0730/c64094-25366470.html
http://cpc.people.com.cn/n/2015/0721/c64094-27334535.html
http://politics.people.com.cn/n1/2016/0727/c1001-28587080.html
http://www.xinhuanet.com//politics/19cpcnc/2017-10/28/c_1121870794_4.htm
posted by aquarelliste at 09:18| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。