2016年10月14日

責任者の後任が責任者の会社

 国慶節明けの9日。山東省海陽市にある英才実験学校に子供を通わせる父兄が、学内の食堂に豚用や鶏用の飼料が積まれているのを発見。これらを給食に出していたのではと、微信で父兄間に一気に広めたというのが2016年を感じます。

 同校は幼稚園、小、中学校の一貫教育を行う私立の学校。百度百科に「高水準の食堂、寄宿舎がある」と書かれているのは皮肉でしょうか。

 9日午後から父兄が学校前に集まり、学校側にさらなる真相究明を求めたところ、学校側はリンパ肉と呼ばれる豚の首周りに付いている部位の肉、トマト、卵についてそれぞれ「検査証書がある」「トマトの一部が腐っていた」「茶葉蛋(茶葉などと一緒にゆでた卵)である」と説明。学校はあくまでも生徒たちの健康に気を配っているとの主張です。

 家畜の餌を何に使うつもりだったのかとの疑問はグランドスルーされ、納得できない父兄らは海陽市の上級である煙台市に直訴。国慶節の連休が終わった8日から14日まで七勤の真っ最中なのに、日曜日の午後から出張するとはとなかなか本気度がうかがえます。

 翌日の10日午後。海陽市宣伝部は、市が専門の調査チームを組織し、学校に入っている食材の抜き取り調査を行うと発表しました。

 一方で、「学校の食堂で食事をした学生が健康被害を受けたと確認できていないが」と、余計な一言を挟み込むのは忘れていません。「デマを信じるな」というのは、微信で出回っている「校長の妹が食堂をやっている」「残飯を食わせている」というやつでしょう。

 12日、新華社は海陽市はこの問題を徹底的に調査すると題した記事を配信。その中で「ウチの子は胃腸が悪いんだけど、最近はずっと良い。大した問題じゃないだろ」と、謎の安全宣言を口にする父兄を紹介していますが、そういう問題ではないんですけどね。

 なんのために呼んできたのか、事件発覚後に解任された食堂の責任者だった於春林さんに、「あれ学校で飼ってる鶏の餌だから」などと、全く説得力が無い安全宣言をさせています。

 於春林さんの解任後、市の教育局が学校の日常業務を担当することになり、実際の業務は海陽連理島旅遊資源開發有限公司が一時的に食堂運営を行っているのですが、同社の総経理も於春林さん。地獄絵図が展開されております。校長の妹というのもあながちデマではないかもしれませんね。

==参考消息==
http://news.xinhuanet.com/food/2016-10/11/c_1119690682.htm
http://weibo.com/5112615282/EcclNsu8l?type=comment
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1541496
http://news.xinhuanet.com/politics/2016-10/12/c_1119702193.htm
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1542253
http://lushang.sdnews.com.cn/scxf/hdtj/201606/t20160630_2102326.html
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2016年10月09日

【国際問題】妊娠検査に来た少女は外国人で誘拐されてました

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※「妊娠検査」に来た「女性」

 4日、男女の二人組の付き添いで徐州市中心医院に来院した20歳の女性。妊娠検査を受けさせに来たと二人組は説明。なぜか本人には喋らせない。

 診断の結果、確かに妊娠しており12週前後だと判明したものの、明らかに20歳とは思えない幼さで、女性というか少女は誘拐されたのではないかと睨んだ医師たち。

 二人組を外へ出し、言語が不自由な少女から粘り強く聞き取りを行った結果、少女は「南西の辺境地区」出身と判明。一方、診察室の外で待たされていた二人組は「診察だけしてくれればいいのに何を聞くことがあるのか」と大声で叫びだし、「病院を爆破してやる」と問題発言をしたため通報。

 駆けつけた徐州市銅山区も意思疎通に困難を極めたため、通訳を手配し話を聞いた結果、少女は外国籍と判明。付き添っていた男女二人組を、それぞれ女性児童販売誘拐罪と、被誘拐女性児童購入罪で逮捕しています。謎の訳語になってしまいましたが、女が売り手、男は買い手であり、二人の年齢が一回り違うのも説明がつきます。

 外籍とはあるものの、江蘇省以外の地域から買われた少女なのだろうとタカをくくっていたら、「通訳」が出てきた段階でようやく外国人で確定できました。

 児童誘拐がはびこる背景については、阿古先生が日本語で説明してくれているので参照するとして、最近は外国人にも手を出しているんですか。

 新京報によると、少女はベトナム人ではないかとのこと。これは国際問題ですねえ。

==参考消息==
http://www.yangtse.com/shehui/2016-10-07/1046736.html
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2016-10/08/content_654655.htm?div=-1
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3644/1.html
https://www.youtube.com/watch?v=xkCnAqmN7Ws
タグ:人身売買
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2016年09月26日

十九大人事予想・前提

 来年の11月に開催予定の第19回党大会(十九大)では、共産党トップの政治局常務委員の過半数が入れ替わるのが確実です。

 すでに一部地方自治体や中央省庁で、トップの入れ替えが始まっていますが、いずれも習近平に近い人たちが持ち上がり、人事面だけで言えば習近平優勢で進んでいます。

 5年前には、翌年に控えた十八大の常務委員予想をして思い切り外したわけですが、今回は政治局委員にまで手を伸ばしてみなさんからまた失笑されようと思います。

 まず、前回と同様に前提となる条件を決めておきます。

 (1)定年は70歳になる

 閣僚級ポストを兼任する中国共産党のトップ200たる中央委員は、党大会を68歳以上で迎えると中央委員から解任されます。具体的に説明すると、党大会、今回なら第19回党大会で次期中央委員が選出されます。

 ここに名前が無ければ、ヒラの党員は政治局委員にも政治局常務委員にもなれないので引退となる、というのが「七上八下」と呼ばれる定年制度です。

 誰がいなくなり、誰が残留したかはこの時点でわかります。直後に開催される一中全会で常務委員、政治局委員も判明するんですけど、前回張高麗が常務委員昇格、汪洋が政治局で足踏みしたのは驚きでした。

 十六大から68歳に引き下げられた定年のラインは、李瑞環を引退させるために作られたもので、後生大事に守るようなものではありませんでしたが、変える必要もなかったからなのかそのまま5年後の十七大で曽慶紅に適用され引退を余儀なくされています。李に引導を渡した曽が同じ手で引退させられるのは、なかなか皮肉が効いているように思います。

 王岐山のような殿上人を念頭に置いたものではないでしょうが、ここ1年ほど公務員の定年延長が盛んに議論されるようになりました。また党員幹部に対しては「業務上必要であれば、上級の同意を得た上で引退を延期できる」とする規定が出ています。

 王自身は現在展開している反腐敗を任期中、つまり来年いっぱいまでに終えるとの意向を示していますが、王岐山が降りた後、彼と同じく信頼に足りうる人物が存在するのか。

 栗戦書が昨年あたりから王岐山の領域にかかる分野についての言動を何度も行っています。王が降りるなら次は現首脳部で王の次に付き合いの長い栗でしょう。ただし、それでは習の長期政権にはなんの役にも立ちません。

 王は七上八下に引っかかる5人の中で一番若く、定年を従来の70歳に戻せば、他の4人は引退させつつ王を残すことができますし、2022年の二十大で習近平もまだ69歳ですから、引退を回避できるようになります。

 常務委員の定年を延長すると後々弊害が出てくる可能性は考えられますが、王のみ定年を延長する可能性はこれまでの慣例から無いと思います。

 中央委員(正部級)クラスの職務であれば、中央委員を退任した周小川、王家瑞が政協副主席となることで回避した前例がありますが、常務委員(正国級)クラスの役職とされている中央紀律検査委員会書記を、ヒラ党員が務めることは考えにくいためです。

 ヒラ党員が本来常務委員兼任であるポストを務めた例は、ケ小平と江沢民の中央軍事委主席残留の二例のみ。王岐山にこの例外が適用されるでしょうか。

 (2)総書記の後継者については保留

 天安門事件という非常事態下で、中央委員会の同意を得ずに総書記に選出された江沢民は別ですが、胡錦濤、習近平ともに、遅くとも総書記就任の一期前には常務委員に昇格し、総書記就任までの準備をしています。

 習近平が次の総書記を用意するのであれば、そろそろその名前が出てきてもおかしくない時期に来ています。しかし、今の所その候補らしき人物は見当たりません。以前からの評判通りなら胡春華なんですが、中央メディアの扱いは良くあないですし。

 国家主席や国務院総理など政府のポストは三選禁止ですが、党のポストについては規定がありません。常務委員の定年延長さえ叶えば、習近平の長期政権はありえない話ではありません。だからいま急いで後継者を用意する必要もない、というわけで名前が出てこないのではないでしょうか。

 一方で、今年上半期に見られた習近平下ろし運動が広まっていれば、そう悠長なことも言って入られませんけど。と云うことで、ここは条件を決めると大きく出たのに保留にさせてください。

 なお、定年を70歳にしてもしなくても李克強は二十大の時点でも67歳なので生き残り、総理を三期務めるのは無理なので李鵬ルートの全国人大委員長に収まっていると考えられます。

 (3)常務委員は7人

 常務委員制度自体無くなってしまうみたいな話も出ていますが、そうなると予想もへったくれも無いので。

 今回は前提条件だけで終わってしまいましたが、次はちゃんと予想も出します。


==参考消息==
前回の模様
次期常務委員を予想してみる1(2011/8/11)
次期常務委員を予想してみる2(2011/8/23)
http://news.xinhuanet.com/politics/2015-07/28/c_1116069618.htm
タグ:十九大
posted by aquarelliste at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする