2017年01月30日

中央の指導者による古参同志慰問について

 旧正月に入ると政治的な動きは止まるので、旧正月恒例の古参同志(ベテラン党員)慰問についてまとめました。副国級以上である中央の指導者が慰問する古参同志もまた副国級以上。閣僚級のさらに上に位置する殿上人の方々であります。

2017012901.png
※オレンジの網がけは正国級、文字の赤は当年新人となった古参同志

 今振り返ると1999年までさかのぼる必要はなかった気もしますが、かつては喬石や宋平がどこで旧正月を過ごしているかがわかるプライバシーのダダ漏れ状態だだったことが判明したので、全くの無意味ではありませんでした。

 西暦の末尾が7の年に党大会が開催され、党職に就いている面々が引退。政府職からの退任はその翌年なので、新メンバー加入の時期がずれます。

 例えば、党の職務である中央紀律検査委書記だった尉健行は、2002年11月の党大会で退任しているので、2003年1月の時点で新メンバー扱いされています。李鵬、朱鎔基らはその後の3月で退任しているので、3月から新メンバーなのですが、年一度の慰問での新メンバー扱いは2004年からになります。新年加入は基本的にこのタイミングしかなく、あとは次の党大会まで減っていくのみ。

 江沢民のみ2006年からの加入になっていますが、これは2005年まで国家軍事委員会主席のポストにあったためです。江沢民はヒラ党員になった2009年にも、当時の上海2トップを従えて古参同志が出席する新年の祝賀会にホスト側として登場するなど、かくしゃくとしていました。

 最近は元気がないのですが、春頃になれば冬眠から覚めてまた動き出すものと期待しています。

 2014年はこれまでの名簿読み上げがなく、総書記経験者の2人のみ名前が挙がる異常事態でしたが、これは当時すでに取り調べが始まって、党と国家の指導者ではなくなっていた周永康の去就を知らせたくがないための措置だったようで、翌年から従来の方式に戻っています。

 なお、2013年の葬儀から、現役常務委員及び常務委員経験者を除く副国級の序列は公表されていないため、補完ができなかったことを申し添えておきます。

==参考消息==
http://news.xinhuanet.com/newscenter/2009-01/24/content_10714432.htm
ラベル:序列
posted by aquarelliste at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2017年01月22日

天津の田舎でせっせと作られるニセ調味料

 雀巢(ネスレ)、太太楽、李錦記、家楽(クノール)などの有名メーカーを騙り、料理に使われる醤油、酢、化学調味料などを10年以上も作る続けていた天津市の片田舎にある村に査察が入りました。

 企業名ではピンとこなくても、ググってみれば鶏精(太太楽)など、中国で暮らしていれば目にしたこともあるような、有名なメーカーばかりであります。

 北京、上海を始め全国各地に販売網を持っていたようで、北京市の小売店では4、5年前から売られていることが確認されています。各地の食品衛生部門も血眼感を出して調査に乗り出しているようです。


※三大お酢の産地らしいです

 天津市の南西に位置する独流鎮。元々有名なお酢の生産地だったのですが、2002年ごろにまずはお酢の、次第にニセ調味料全体の生産に手を染めていくようになりました。

 先日天津市委書記に就任した李鴻忠に送られた書簡の中で、地元の人間だという書き手は書記の顔に泥を塗って申し訳ないとしつつも、「30年発展していないのは事実で、我が鎮は忘れられている」と窮状を訴えています。だから犯罪に手を染めていいわけではないんですが、「発展の恩恵をくれないと同じようなことが起きるぞ」とは切実です。

 同鎮には40から50の拠点が集中し、売り上げは今や年間1億元(約16億円)、1日当たり50万元程度を生産する一大生産拠点へと成長を遂げていました。老板はポルシェやアウディでごくたまに現れるそうで、相当儲かっちゃってる様子が伺えます。

2017012201.jpg
※手広く作っている

 ニセ調味料作りには10年以上手を染めており、工員は地元の親戚か友人で、外部の人間は一切雇わず。また、工場となっている平屋の民家には監視カメラが備え付けられ、日によって生産する場所を変え、輸送時にはダンボールを二重にして、外側は無地にするなど徹底した用心深さでした。

 メーカーが独自にニセモノを調査する覆面には、500元から1000元を口封じに渡して乗り切っています。これは一斉入れ替え待ったなし。

 工業用塩、保存料として使われるソルビン酸カリウムや安息香酸ナトリウム、甘味料のチクロといった人体に有害な原材料を使用しているのは、その他大勢のニセモノと同じでした。安全なニセモノってないですからね。

 鎮党委、政府は18日、最高5000元の賞金をエサに密告を呼びかけるおふれを出しました。全く知らなかったわけではないと思うんですが、そこはそれ。ところで「踊躍舉報」てどういう状態なんですかね。

 さて、人民日報に天津市はちゃんと対応しろと激を飛ばされていますが、就任したばかりの李鴻忠が忠誠を示す絶好の機会であるとともに、任期中にゴーストタウンを作り、全国規模で被害を出したニセモノ作りを続けさせていた節穴おじさんこと張高麗の責任論不可避ではないかと、残酷な期待をするばかりであります。

==参考消息==
http://chuansong.me/n/1490384351025
http://chuansong.me/n/1490384451026
http://chuansong.me/n/1492311351329
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936876960
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936877802
http://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20170121/s00013/1484936873200
posted by aquarelliste at 22:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2017年01月08日

風船射撃の屋台店主が拳銃所持容疑で有罪

 5日、河南省信陽市新県人民法院(県裁判所)の公式サイトに、「ネット競売におけるおもちゃの銃に関する状況報告」と題された記事が発表されました。

 同裁判所が押収したエアガンを、ショッピングサイトの淘宝(タオパオ)で競売にかけていたところ、習近平機関紙の澎湃が「BB弾を撃てるエアガンだろ」と指摘。

 これに対し裁判所は、「価格鑑定は行なったが、エアガンの弾速が規制以下かどうかは調べていない」と回答してネットで叩かれたため、光の速さで鑑定にかけ、規制ラインである1.8ジュール以下であると公表しました。

 規制以下で問題は無いはず。「以前にも競売にかけたが問題なかった」(同裁判所の裁判官)はずなのに、「競売対象への確認を怠り、未鑑定のまま競売にかけてしまいました」と公式が全面謝罪したのはなぜか。

 先日同じような事件があったなと思いを巡らせていたら、らーじゃおのツイートを思い出しました。



 らーじゃおのツイートについて簡単に説明しておくと、2016年8月から10月まで天津市河北区で風船射撃の屋台を出していた51歳の女性が、拳銃管理制度に違反し、違法に拳銃を所持していたとして3年6ヶ月の実刑判決が出たことを受け、父兄の皆さん子供達が「違法犯罪集団」にならないよう、気をつけようねと揶揄したものです。

 女性はちゃんとショバ代を支払っていたので、そっち方面の見せしめはなさそう。屋台で客に使わせるために所有していたエアガンは、前出の規制ラインを上回る弾速が出たため拳銃認定され、刑法第128条に抵触、と一応理屈は通っています。

 新県裁判所が売り飛ばしたエアガンは規制ライン以下だったものの、天津市の一件と、過去にも同じような判決が何度も出ているので、ネットで炎上する前に澎湃が突っ込んできたからなんでしょう。相変わらず中央のメディアには弱い地方自治体です。

 なお、女性は判決を不服として控訴。低すぎるとあちこちのメディアが指摘する規制ラインが二審の争点となる模様ですが、そうなると同様の判決にも波及するため舵取りが難しそうです。

==参考消息==
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1592177
http://hnxxfy.hncourt.gov.cn/public/detail.php?id=1271
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591474
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590619
http://www.chinanews.com/sh/2017/01-04/8113029.shtml
http://epaper.ynet.com/html/2017-01/04/content_234416.htm?div=-1
http://news.dahe.cn/2017/01-05/108114074.html
http://www.rfa.org/mandarin/duomeiti/huandengtuji/biantailajiaomanhua/biantailajiao-01022017100609.html#.WGsHEmE5uvs.twitter
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590084
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1590619
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591286
http://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_1591396
http://www.chinanews.com/sh/2017/01-07/8116555.shtml
posted by aquarelliste at 16:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 消息 | 更新情報をチェックする