2018年01月29日

LCCが遅れて国歌斉唱

 1月24日、上海行きジェットスター便が大幅遅延となり、取り残された中国人乗客の国歌斉唱イベントに発展した件。

 中国人乗客の言い分がまとまっている、第一報を訳してみる。

 24日夜、日本の成田空港発上海便が、上海側の天気が原因で24時間の遅延となった。航空会社の手配に不満を持った一部の乗客が警官と衝突、『義勇軍進行曲』(中国国歌)を歌って抗議までした。中国大使館が折衝を行い、空港に残っていた175人の中国人旅行者は帰国した。

 香港東網の報道によると、事件に関連したのはカンタス航空傘下のLCC・ジェットスター。当初の予定では24日午後9時45分にチェックイン開始だった。しかし、乗客が搭乗口で30分待ったのち、航空会社は天気を原因に24時間遅延するとアナウンスしたのだ。

 ジェットスター日本は5人の日本人乗客のみを案内し、その他175人の中国人乗客は放置された。また、航空会社は乗客に荷物を持って、食事や宿泊先の手配を自分で行うよう劣悪な態度を取っただけでなく、英語で「Get out」(出て行け)と何度も叫んだと報じられている。

 2日目の未明、一部の乗客が出国エリア2階にある、食べ物を売る自動販売機に行こうとしたところ、航空会社の職員に阻止された。これが他の乗客の不満を買い、空港職員と言い争いから取っ組み合いへと発展した。

 通報を受けて駆けつけた警察に協力するため、中国語の翻訳を出すよう求めたが、警察はこの要求を飲まず、乗客1人を連行した。この乗客は衣服も破れ現場は混乱した。一部乗客は『義勇軍進行曲』(訳注:中国の国歌)を歌い抗議した。

 報道では、ジェットスターの女性職員が転倒したが、これは乗客がやったのだと話しているという。


 一足飛びに国歌斉唱イベントが開催されるわけではないので、中国人乗客の不満がどこにあるか把握しておらず、騒動に発展させてしまっているのではないか。

 りんご日報の報道によれば、ジェットスターは当初英語ができるスタッフを派遣し搭乗口から離れるよう説得したが拒絶され、ようやく中国語のできるスタッフを送り込んでいる。

 日本人5人は自力で帰宅したが、日本人が優先されて案内されたと第一報の証言にあるように、なぜ日本人だけがいなくなったかについて説明はしていなかったのだろう。

 中国人乗客が腹を空かせるなどして、ジェットスターと空港が設定したエリアから抜け出そうとしたのも当たり前の行動だ。

 食事を与えておけばひとまず動きはコントロールできていたし、肉体言語のぶつかり合いには発展しなかった。

 事件後、ジェットスターの関係者は「LCCは基本的に便がキャンセルになっても補償を行わないが、乗客たちは購入時に確認はしていないだろう」とメディアに答えている。それは大原則だが、対応が下手すぎる。過去、国歌斉唱に至った経緯を全く理解できていない。

 乗客が大使館に連絡し、参事官が駆けつけてから態度が変わったと取られても仕方がない。事実、大使館の介入後にはチケットの変更を済ませ、25日には出発できるだろうと回答しているし、断っていた待合室の使用を許可している。また、朝には1000円分のミールクーポンを配布している。

 費用は大使館が出すと請け合ったから事態が動いたのかもしれないが、対応が後手に回ると余計な憶測を呼ぶ好例だ。ジェットスターが騒動に関して、有効な反論を行っていないこともよろしくない。

 ジェットスターは微博に公式アカウントを持っているが、騒動については「ご意見ありがとうございます」程度の内容しか書かれていない。実際はどうだったのかを説明しないと、乗客の言い分ばかりがメディアに出回ることになる。

 この手の場合、人がキレるのは腹が減っている時と、差別を受けていると感じた時だ。カネを払ってくれている人間がどういう人種なのか、勉強しておいて損はない。

 大使館はいつも通り、大使館の介入で全員無事に帰国した成果を誇る情報を公開した。同時に、乗客にも苦言を呈した。というか、ジェットスターの非は全く鳴らしていない。

 LCCは低コストで運営されているため対応には限界があり、チケット変更が適宜できるわけではないこと、食事や宿泊先の手配に責任を負わないことなど、チケット購入時に確認しなければならない。

 突発的な状況には理性的に対処し、過度の権利保護や不必要な法的争いは避けねばならない。
 大使館のおっしゃることはもっともだ。大きな声を上げて注目を集め、必要以上に権利を主張する手法は田舎者に多い。対応に当たった参事官も、「(国歌斉唱は)民族的な対立を煽り問題を激化させる」と非難している。

 ただし、「強い祖国」を打ち出して、調子に乗る人民を量産しているのは中国政府なのだから自業自得としか思えない。普段旅行をする習慣が無ければ、旅行を制限するブラックリストに載せても意味がないから、罰金刑が文字通り身に染みて分かりやすいだろう。

 他のLCC旅行者へも、大使館は一切介入しないと宣言するのも手ではないか。身に染みると思う。

==参考消息==
http://news.ifeng.com/a/20180126/55494083_0.shtml
http://www.nbd.com.cn/articles/2018-01-27/1187622.html
https://tw.appledaily.com/new/realtime/20180128/1287137/
http://www.fmprc.gov.cn/ce/cejp/chn/lsfws/lstx/t1529239.htm
ラベル:日中関係
posted by aquarelliste at 12:43| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2018年01月12日

乗降口に張りつき叫ぶ女性教師

 「夫が来たら乗るから」と乗降口に居座り、高速鉄道の発車を妨害したとして、女性に罰金2000元が科せられた。

 動画は1月5日、安徽省の蚌埠南駅から広東省の広州南駅行きG1747便が合肥駅で停車中の間に撮影された。

 女児を連れた女性が夫を待っていると言いつつ、高速鉄道が発車しないよう乗降口に張り付いていた一部始終がバッチリと収められている。

 4分近くある動画の最後まで夫は現れなかったが、その間高速鉄道の乗務員から何度も降りて待つよう諭されても頑として動かず、身柄を引き剥がしてホームまで連れ出し一度はドアを閉めかけたものの、女性は足をドアの隙間に挟んで抵抗。乗車への執着心が凄まじい。

 動画は無修正で出回ってしまっているので、すでにプライバシーもへったくれもない状態だ。母親の醜態を目の当たりにしても、同行している娘が動じている様子があまり見られないので、初めてではなさそうだ。

 9日午後、合肥市廬陽区は女性が市内の小学校教員の羅海麗であり、停職処分中であることを発表した。彼女はまもなく勤続20年を迎えるベテランということなので、それなりの年齢となる。

 羅さんは微信の実名アカウントで反論。おそらく普段は父兄とのやりとりに使用されているのだろう。全国に顔が知られ、実名も出たので怖いものはもうないのだろうか。

 にしても、夫は遅れていない、後ろで荷物を抱えていた、もうちょっとで来たのになんて書ける胆力は素晴らしい。これを書いた後、派出所に出頭し本件について自分が間違っていたと認めている。だが、掲載された文章を読むと、言い訳しか書いておらず反省の色は見られない。

 特に、職場への示威行為と自分の正当性をアピールであることが、結びの部分に色濃く出ている。

 私は列車の発車を妨害してはいない。1人の私にどうやって動車(高速鉄道)の前面で発車を妨害できるのか。学校は何を持って私を停職処分にしたのか。私が教えたことは間違ってはいない。

 公共の秩序を乱したとして、公安からは警告処分を受けている。駅で少しの間違いは犯したが、職場はなぜ関係のない処罰をするのか。
 職場とは思う存分戦えばいいと思うが、これだけの醜態をさらした後に父兄に会わせる顔がない、と考えてしまうのはナイーブなのだろうか。

 今回のような安全運行に影響を及ぼす行為や、喫煙したままの乗車などの迷惑行為を行った乗客に対し、ブラックリストに載せ5年間は乗車できなくなる、『鉄路旅客信用記録管理弁法』というものがある。

 ネットでは永久に乗車させるなとの声もあるが、取材を受けた弁護士は「基礎的なインフラサービスであり、乗車拒否はできない」との見解だ。

 禁じられてもまだ列車という代替えになる方法がある飛行機と違い、列車を禁じられると本格的に動けなくなるので適用するのはかわいそうという意味なのかもしれないが、そういう見解を出されると条例の存在理由が無くなってくる。

==参考消息==
http://news.163.com/18/0109/15/D7NG0INO0001899N.html
http://news.163.com/18/0109/12/D7N61S5H00018AOR.html
http://news.163.com/18/0109/15/D7NI7C8A000187VE.html
http://news.163.com/18/0110/01/D7OL9J6R000187VI.html
http://news.163.com/18/0110/04/D7OTC6PC0001875P.html
http://news.163.com/18/0110/01/D7OK2A160001875P.html
http://www.xinhuanet.com/local/2018-01/10/c_1122240225.htm
http://www.xinhuanet.com/2018-01/10/c_1122240584.htm
http://www.fawan.com/2018/01/10/849516t185.html
http://hunan.sina.com.cn/news/2017-05-06/detail-ifyeychk7079907.shtml
http://cnews.chinadaily.com.cn/2018-01/11/content_35481665.htm
http://news.xinhuanet.com/fortune/2017-01/19/c_1120347138.htm
posted by aquarelliste at 18:51| Comment(0) | 消息 | 更新情報をチェックする

2018年01月02日

紀律検査委が司法に介入

 呉継徳という男がいる。甘粛省委統一戦線部副部長(正庁級)まで務めたが、3年前に紀律違反で党籍を剥奪された。

 罪状は収賄、公金横領、銀行預金の違法な吸い上げ、職権乱用、迷信活動など。収賄額の総額8000万元近いのはこのクラスの党員としてはちょっと多いが、蘭州市副市長時代に都市建設を担当していたので説明はつく。在任中は許認可権を思い切り駆使していたのだろう。

 呉は2017年1月に開かれた一審で懲役16年の判決を受けているが、金額からすればそんなものだろう。大抵の党員は判決に服すと記事に書かれて刑が確定するが、呉は受け入れたのかどうかがはっきりとしなかった。

 判決を不服とした呉は「多数の証拠があり、『銀行預金の違法な吸い上げ』と『職権乱用』は成立しない」(呉の弁護士)として控訴したのだ。二審でこれが通れば、4,5年は刑期を短くできるとの見通しもあった。

 二審の甘粛省高級法院は一審の判決を覆し、『銀行預金の違法な吸い上げ』と『職権乱用』を取り下げたが、この件が省紀律委に報告されると呉の案件を調査した担当者2人が、一審の判決を維持せよと口頭で二審に告げて来た。

 担当者の1人、崔銀剣は「紀律委がやるように判決を下せばいいのだ」と、高級法院の副院長に判決の書き換えを要求してきた。明らかに越権行為だが、崔は「正常なルート」と強調、取材した明報の記者を「常識を少しもわかっていない」と非難してきた。

 紀律委が司法に介入するのは当たり前という意味なのか。呉の弁護士は紀律委2人が介入してきた証拠をまとめ、上級機関の中央紀律検査委に通報したが、呉は楽観視していない。呉も20年ほど前に紀律検査部門に籍を置いていたからなのかもしれない。

==参考消息==
https://news.mingpao.com/pns/dailynews/web_tc/article/20171223/s00013/1513965691830
http://www.ccdi.gov.cn/special/zyxszt/dshiyilxs_zyxs/agls_xs11_zyxs/201704/t20170428_98338.html
http://www.ccdi.gov.cn/scdc/sggb/djcf/201607/t20160704_117597.html
http://gansu.gscn.com.cn/system/2017/01/09/011580695.shtml
ラベル:紀律検査委
posted by aquarelliste at 23:20| Comment(2) | 消息 | 更新情報をチェックする