2016年09月12日

組織部目線で楽しむ天津の後任

 実は、ともったいぶるようなことでもないのですが、十九大(第19回党大会)の人選リストを少しずつ進めるという、組織部目線の作業をしているのですが、黄興国を削るハメに。

 代理書記というのは、省長がまず代理省長として数ヶ月過ごす慣例があるのとは異なって、前任の書記が解任された後を任される場合にしか生まれないポストで、私としては信頼しているからこそ後を任されたと見ていました。

 トップの書記だけがドロドロの真っ黒なのに、省長以下がクリーンでヘルシーな訳はなく、安全なのは信頼できる部下を送り込むことですが、二番手の省長に代理をさせるくらいだから、次は代理を外して政治局委員も固いものとばかり。

 代理書記はいずれも政治局委員以上に昇格するというデータもあるんですよ。もともと政治局委員だった尉健行と張徳江は常務委員に昇格しているし。

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※湖北省長は現在不在です。

 先ほど完成した、地方自治体トップ2リストです。ご確認ください。人名でフォントを大きくしているのは、習近平の腹心さんになります。今年6月から実に11の省、自治区の書記が入れ替わっています。

 注目は新疆自治区で、陳全国はいち早く政治局委員が確定したのと、張春賢の行き場所がまだ決まってないことでしょうか。

 一瞬だけ張春賢との情報も流れた天津市委書記の後任ですが、新疆トップを解任され目下無任所の張春賢がワンポイントリリーフを務めるのか。それとも地方経験が豊富な汪洋か、もしくは天津時代が超長い浙江省委書記の夏宝龍あたりの人選が現実路線と見られます。

 習近平ゴリ押し人事なら、ものすごい勢いでジャンプアップしている李強。浙江時代の秘書長ですが、彼は6月に江蘇省委書記に転出したばかりですので、まあ無いかなと。
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2016年09月10日

「機内誌は国航を代表しない」

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 中国のフラグシップである中国国際航空(国航)の機内誌・『中国之翼』の最新号に掲載されたコラムで、人種差別丸出しの「助言」をしていたことで、英国の国会議員が駐英大使に抗議書簡を送る事態にまで発展。機内誌の作成に関わった出版社と国航が謝罪に追い込まれています。

 「謝罪」と思って読んでいったらとんでもありませんでしたが。





 米ニュース放送局・CNBCの北京駐在プロデューサー、ヘイズ・ファンさんのツイート。そしてインド人が多く住む地域選出のインド系議員、ヴィレンドラ・シャルマさんでした。

中国国際航空、機内誌でロンドンについて人種差別的「助言」(BBC日本語 2016/9/8)

 機内誌の記事はロンドンの安全案内として「ロンドンは全般的に旅行するには安全な場所だが」と前置きした上で、「主にインド人やパキスタン人や黒人が住む地区に入る際には、注意が必要。観光客には、夜間は独りで外出せず、女性は常に移動中は複数で行動すべきです」と「助言」している。
 CNBCの記事でも指摘しているように、5月には洗剤のCMで差別意識を露呈させたばかりか、何が問題かわかっていない鈍感さを見せつけたばかり。

 この時CMを打った企業の反応も「ネットが騒ぎすぎ」とひどいものでしたが、同誌を出版した中国航空傳媒有限責任公司の「謝罪文」も謝罪になっていませんでした。

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※出版社の謝罪

 中国航空傳媒有限責任公司が刊行する『中国之翼』は、貴社の飛行機に配布されております。9月号において、我が雑誌社と英国旅行局が協力したコラムにおいて、編集作業において誤りがあり、適当でない表現が出てしまいました。

 ロンドンの美しい景色を積極的に宣伝しようとの初志に反し、一部メディアや読者の誤解を招いてしまいました。貴社の経営やブランドイメージに非常に大きな影響を与えてしまい、ここに深く謝意を表します。
 
 『中国之翼』は航空旅行雑誌として、これまで世界の風景、人情を多くの読者に紹介してきましたし、読者と共に世界の美を見つけることに没頭してまいりました。今回のコラムのける不適切な表現は、純粋に編集業務の誤りであり、本雑誌社の意見とは異なります。

 我々は、今月号すべてを直ちに回収し、真剣に教訓をくみ取り、管理強化を行い、同様の問題が二度と出ないよう確実に保証してまいります。我々も、御社を通じて今回の件で不愉快な思いをされた旅行者と多くの読者に真摯なる謝罪をいたします。
 雑誌社が謝る相手は国航なんですね。ビビりました。次に国航です。

 中国国際航空公司(国航)は、旅行客の購読需要を満足させるため、目下航空機に100紙近い境内外の他言語の新聞、雑誌を備えている。『中国之翼』はその内の1紙だ。これらの雑誌は機内でゆっくり過ごすために備えているだけであり、各新聞、雑誌に掲載された文章はすべて国航の意見を代表しない。

 『中国之翼』9月号の「ロンドン 礼帽の下の風格と頑健」において、安全案内の部分で不適当な表現があった。この問題が発覚後、国航は直ちにすべての航空機から当該誌を撤去し、『中国之翼』の雑誌社に真剣に教訓をくみ取り、内容の審査を強化し、同様の問題が再度発生しないよう要求している。

 世界6大陸に航路を持つ航空会社として、国航は常に世界各民族の文化、風俗を尊重してきた。同時に、世界各地で現地に住む各民族を大量に雇用し、彼らとはずっと仲良くやっている。世界各民族人民の友好に共に尽力し、対等に交流し、空中に橋をかけ、これまでと変わらず全世界の旅行客のため優れた航空サービスを提供する。
 『中国之翼』の公式サイトには「中国国際航空唯一の機内誌であり(中略)傘下の航空機に備えられています」と説明されています。表側の表紙には国航のロゴもあることですし、機内に置いているだけと関係を否定しても意味がないことはわかっているはずなんですが。

 両者以上に鈍感なのが。環球時報やフェニックスといったメディアです。環球は「悪意はない」とかばえば、フェニックスは「外国人が中国は謝る必要ないって言ってくれてるよ」ですからね。

 悪意がなく無意識にやっている方がタチ悪いですし、「中国に味方をしてくれる外国人」は中国が劣勢に立たされている時に中国がよく使う手法です。

 フェニックスなんぞはどこぞのまとめブログよろしく、微博から拾ってきた各人種が人口に占める割合と、人種別の服役者数など貼り付けています。

 ネットの声は一部だけを拾えば思い通りの筋書きが作れるので、彼らが何を言っているかは気にしないようにしています。ただし、それをまとめて自社のサイトでやるなら、自社の意見とみなされても文句は言えません。記事には責任編集とあるので、「フェニックスの意見ではありません」と後から逃げを打つことはできません。

 同じことを中国人もやられているはずなんですが、他人の痛みには鈍感な人たちですからね。

==参考消息==
http://www.cnbc.com/2016/09/07/air-chinas-safety-tips-for-london-visitors-may-raise-eyebrows.html
http://news.carnoc.com/list/366/366401.html
http://www.wingsofchina.org
http://news.ifeng.com/a/20160909/49944434_0.shtml
http://www.bbc.com/zhongwen/simp/china/2016/09/160908_air_china_reax
http://opinion.huanqiu.com/editorial/2016-09/9420205.html
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2016年09月07日

共産党員が党費を払わない

 中央紀律検査委員会(中紀委)がしつこく続けている地方自治体、中央省庁や党組織に所属する党員、公務員への巡視。約2ヶ月間、対象となる期間に乗り込んで取り調べなどを行い、問題を洗い出します。

 巡視後、結果報告会が開かれるのですが、ここ1年でよく目にするようになったのが、党費の未払い問題です。

 2014年7月から9月まで行われた浙江省に対する巡視結果報告で、不良党員の問題点として挙げられているのが最も古い例かと思います。浙江省だけではなく、これ以降の巡視報告会で毎回のように指摘を受けているのです。

 今年1月には業を煮やした中紀委が、「党費は誰に収めればいいのですか」「納めるのを忘れてしまったらどうすればいいですか」と、かなりレベルを下げたQ&Aを作成するほどです。

 その後も、5月には山西省、天津市の国有企業が不足した党費、それぞれ8000万元、2億7700万元を納めており、今後、各党組織が党費の支払い状況を監督する部門を立ち上げると報じられています。

 6ヶ月未払いだと脱党の意志ありと見られ、上級に報告され事態が改善しなければ党籍が剥奪されるとのことですが、改善の兆しは見られません。

 党側は党費を党の重要な財源として位置付けられているだけでなく、党費未払いは堕落の第一歩と考えているからこそ厳しいのですが、問題なのは出し渋っているのが収入の少ない層ではなく、国有企業の職員だと言います。

 上述の中紀委Q&Aでも、「(国有企業の)幹部党員は高給にもかかわらず規定通りに党費を納めない」と批難されており、特に国有企業職員が出ししぶっていることが伺えます。

「党費を払うことは小さなことではない」(人民日報 2016/9/6)

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※紙面の一番下ね

 人民日報が記事にしたと聞いて飛んできたら、「周恩来は軍政も大事だが、党費を納めることはさらに大事だと発言した」といった、偉人の威光を笠に着るいつもの説得パターンでした。

 反腐敗で余裕がなくなった党員が、払わなくても党籍剥奪されないのだからと党費を払わなくなったのだ、とか分析でもあるのかと思いきや、党費を払うのは当たり前と原則論を振りかざすのみ。

 取りっぱぐれを無くす為、収入から自動的に差し引いておけばいいのではとの助け舟にも、「自覚的、積極的に、本人自らが納めるべき」と、謎の拒否。もしかして不要な組織とポストを作りたいだけなんじゃないのと邪智してしまうのでした。

 一応付け加えておくと、数ヶ月前から「上級の指示」により、収入の多寡に関わらず一定の金額を納めるよう指示を受けている党員がいるらしいので、党員も党側も真面目に金欠で、綱引きをしているのかもしれません。

==参考消息==
http://www.weibo.com/p/1001603992181814746623
http://baike.baidu.com/item/党费/3671
http://www.dw.com/zh/习近平铁腕治党-不交党费后果很严重/a-19425584
http://www.ccdi.gov.cn/yw/201606/t20160627_80961.html
http://www.ccdi.gov.cn/yw/201601/t20160119_73118.html
http://www.ccdi.gov.cn/yw/201604/t20160411_77350.html
http://news.jinghua.cn/guonei/20160515/f34583.shtml
http://dangjian.people.com.cn/n1/2016/0810/c117092-28625007.html
http://cpc.people.com.cn/GB/64162/71380/182420/12300616.html
posted by aquarelliste at 21:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 消息 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする